『8人の女たち』クリスマスイブの朝、メイドが主人マルセルの部屋に伺うと、彼は何者かに殺されていた。家に居合わせたのは妻や娘、義理の妹など女性が8人。手がかりらしきものから犯行は内部の人間と思われ、彼女たちは互いを疑い出す。親族が集う屋敷を舞台としたワンシチュエーションの会話劇。殺人事件なのでベースはミステリーだけど、ドタバタ感とブラックな笑い、そして間に挟むミュージカル的な歌唱によって軽やかなコメディに仕上がっている。親族6人にメイド2人を加えた計8人の女たち。8人の間にある三角関係がもつれにもつれ、マルセルを中心とした八角関係のような構図が浮かび上がってくる。会話だけでこの複雑な関係性を観客にわからせるのだから、脚本がいかによくできているかがわかる。 女優の面子がすごい。フランスを代表する名女優が揃っていて、演技はもちろん風格というかオーラがある。また、それぞれが纏っているクラシックでゴージャスな衣装も魅惑的。歌唱シーンも素晴らしく、コメディだからなんとなく滑稽なんだけど、美しい歌詞と歌声にしっとりとした気分になってしまう。そして結末もドラマティック。クリスマス映画としてもオススメしたい。久しぶり2度目の鑑賞。知的でお洒落でちょっとブラックなフランソワ・オゾン監督の作品、やっぱり好き。#映画 #UNEXT #フランス映画 #クリスマス映画#8人の女たち