#仮面ライダーウィザード#30ー31話今回はいつか書くつもりだった仮面ライダーウィザードの印象深いシーンを紹介したいと思います。改めて見直すと、ウィザードは響鬼のように“仮面ライダー”というよりは“指輪の魔法使い”です。そのため両手に指輪をはめているのですが、子どもへの影響を考え、スーツアクターの高岩成二さんはアクションの際、手首から先を使って攻撃しないように最大限気を使っていたそうです。そのぶん、キレのある蹴り技と、魔法で生み出す武器を中心とした戦いになっていて、アクションは十分に見応えがありました。ウィザードの二話構成の中でも、ずっと心に残っている場面があります。強敵レギオンに敗れ、魔法の源だったドラゴンを失った晴人が、静かにベンチに座り込む場面です。そこに兄妹がやってきて、妹の詩織が晴人に「また魔法を見せて」とせがみます。晴人はかつて、ステッキを浮かせたり、ドレスアップの指輪で詩織を笑顔にしていました。しかしレギオンとの戦いで魔力を失い、今は魔法を使うことさえできません。「また魔法を見せて」と言う詩織に、晴人は静かに答えます。「もう見せてやることはできないんだ。魔法が使えなくなったから」やがて、隣に座る兄に晴人は漏らします。「ごめんな。魔力が消えて、初めてわかった。俺には魔法以外にできることが何にもない。魔法が使えなきゃ、女の子ひとり喜ばせることもできないって」それを聞いた兄は、少し間を置いて言いました。「……そうかな。もちろん魔法はすごかったけど、俺が嬉しかったのは、妹を喜ばせようとしてくれた気持ちのほうだよ。多分、詩織もわかってる。だって俺の下手な手品だって、最後にはちゃんと笑ってくれるんだ、あいつ」その言葉を聞いて、晴人は思い始めます。――希望は魔法ではなく、人の心が生み出すものなのかもしれない。エピソードのラストでは、晴人は変身できないまま再びレギオンに立ち向かいます。もともと晴人は、サバトの儀式で絶望せずに希望を保ち続け、ただひとりドラゴンのファントムを宿して魔法使いになった男です。あの時、晴人はただの人間でした。それでも、絶望しなかった。その原点を思い出し、晴人はレギオンに言い放ちます。「俺は絶対に諦めない!」