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水切り

水切り

#100文字小説をつくる会 

理科室と怪物実在論

僕は、こちょばゆくあなたのシャツと肌の隙間を駆けました。私に向かって、時折こちらを向いてはギザギザの歯を見せてキキキと笑います。耐えられなくなった私は腕をつたうように、僕の匂いを覚えた翅たちを走らせました。翅たちは僕を捕まえて、系でくるくると囲みました。僕はうっすらと丸みを帯びていく繭に歯を立ててみるけれど、結局包まれるまで私を睨みつける目は黄色く光っていて、僕はいなかったことになったみたいです。
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あましび

あましび

蝶の博物館しかない村に唯一ある傷だらけのバーで刺青のある男と話していると電話がかかってきた。若い女の硬い声だった。「夢で夕日をみたことがあるなら、用心したほうがいい」悪夢を思い出す。捩くれた大きな枯木の周りに古い家財道具が積み上げられていて、猫のような目の老夫婦がこちらを睨んでいた。バーのドアは硝子で河原の焚火が見える。唇がいつもより甘い。甘酸っぱければもっといいのに。グラスの底の泡を見つめる。
『髑髏の中にいることと泡が目に見えること』

#100文字小説をつくる会
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えま

えま

#100文字小説をつくる会

「現世というチュートリアルと天国という本番」

綾夏は可哀想なんかじゃない。ちょっと私たちより早かっただけ。誰よりも努力家で才色兼備な綾夏。死に顔は綺麗で、どこか凛々しく見えた。そんな顔せずに、もう頑張らなくてもいいのにね。もうきっと、この世の徳をぜーんぶ積んでしまったのね。
取り残された私にまだやるべきことがあるって、一体誰が決めているのかしら。焦りをなだめるように、墓地の脇道から潮風が吹く。
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ノールック二度見

ノールック二度見

#100文字小説をつくる会 #100文字小説 #百文字小説

人魚の話をさらに改良(?)しました。

「山の人魚」
山奥の溜池、人気はない遠慮なく釣りができる。すると毛のない猿のようなものが水面から顔を出している。目が合うと飛びかかって来た!他にも数十匹の仲間がいるようだ。これが山人魚か…地方によっては猿魚という。
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ノールック二度見

ノールック二度見

#100文字小説をつくる会 #100文字小説 #百文字小説

こ前作った人魚の話はパクリだと思われる可能性があったので作り直しました。

「人魚」
この釣り場は穴場だ。半年も通っている。地元では心霊スポットなどと言われているが気にしない。ある日毛のない猿が話しかけてきた。
おもちゃだと思い持ち上げてみた。
下半身は魚だった。そしてそいつは生きていた…
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ノールック二度見

ノールック二度見

#100文字小説をつくる会 #100文字小説 #百文字小説

「人魚」
先日浜辺で拾った人魚がウチに居候している。
水がないと生きていけないというので家の風呂を貸してやった。
偉そうに温度がどうだ、塩加減がどうだとか、魚の種類まで指示してくる。
そして生臭いし、早く海に帰そう…
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金属バット

金属バット

#100文字小説をつくる会
寸善尺魔とは良く言ったものでして無善唯魔こそ、太宰の言いたいことではありませんでしょうか。そうですか、違いますか。そうであれば、あなたはきっと幸せです。
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ガラゴ・ガラナ

ガラゴ・ガラナ

#100文字小説をつくる会
「檸檬」「着ぐるみ」「歴史」
 
きぐるみを社会に例え檸檬を爆発させる人間は想像力が足らないが、それも仕方ないことだ。風俗と歴史に生まれながら屈する我々は主人の顔すら禄に拝めない。彼らの斜に構えた比喩も歴史に媚びる可愛い甘噛みなのだ。
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