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しゅうまい

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【連続GRAVITY小説】
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第三章 ~彼らが捧げる、たった一つの純情~

第60話:競い合うログと、揺れるため息

もちこがルームに持ち込んだ、太陽みたいな「笑い」と「拍手」は、あっという間に男性陣の心をガッチリとつかんでしまった。
「もちこさん、次の絵はいつですか? 僕、スマホの壁紙にしちゃいましたよ!」
すっかり元気を取り戻したニトが、絵文字いっぱいのログを弾ませる。
「僕も、仕事の休憩中に見て、もちこさんの絵に癒やされています」
普段はあまり目立たないぽちまでが、勇気を出してそう発言した。
負けじとテスターは、大人っぽくもちこの疲れを気遣うようなメッセージを送る。
「もちこさん、お忙しいのにいつもありがとうございます。無理はなさらないでくださいね」
まぁずは、もちこが喜びそうな面白いニュースや画像を、次から次へとルームに投げ込んだ。
そんな彼らのやり取りを、新入りのやざわは、一見冷めた表情で見ているふりをしていた。しかし、彼の指は、もちこの次の返信が誰のログに続くのかを、密かに確認するためにスタンバイしていた。
あきっくすは、そんな男性陣の熱烈なアピールを、画面の向こうでクスッと笑いながら見守っていた。
「みんな、もちこさんのことが本当に好きなんだね」
ルームのログは、男性陣の猛アピールでどんどん盛り上がっていく。しかし、そのログの盛り上がりとは裏腹に、もちこの返信には、少しずつ「間(ま)」ができ始めた。
「あはは、みんなありがとう! 嬉しいな!」
明るい言葉を打ち込みながら、もちこは、夕暮れ時のキッチンでスマホをそっと置いた。
目の前には、畳みきれていない洗濯物の山。コンロからは、夕飯の味噌汁のいい匂いがするけれど、同時にもう一品作らなければいけない焦りもあった。リビングからは、子供たちの宿題について「ママー!」と呼ぶ声が聞こえる。さらに、もうすぐ義理の両親が訪ねてくる日だということも、彼女の頭の中にあった。
ルームの仲間たちと「気楽に笑い合う時間」が楽しければ楽しいほど、現実に戻る瞬間の寂しさや重さが、じんわりと彼女の胸に影を落とし始めていた。
「……ふぅ」
もちこは、誰にも聞こえない小さなため息を、夕暮れの空に溶かすように吐き出した。
(つづく)


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