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悠凪

悠凪

ちょこっと物語。
第9話 想い

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お盆くらいの時期。
妻を亡くしたことを分かっていても理解できていない、そんな感じ。

本編

朝か…
外から聞こえてくるセミの大合唱で、
僕は目を覚ます。
布団の上でしばらくスマホを眺めて時間をつぶす。
ふぁ〜っと大きく伸びをして立ち上がり、
冷蔵庫から冷えた麦茶を取り出す。
これが僕の日常。
コップを2つ。一つは僕の。
もう一つは…君の。
冷たい麦茶は、僕を夢の世界から現実へ連れ戻す。
あぁ…今日も暑いなぁ…。
僕はふと、隣を見る。
麦茶が入ったままのコップを。
そこにいるべき人は、もういないというのに。
カラン…氷が涼しげな音を響かせる。
君の笑顔が見えた気がした。
もう君がいないことはわかってる。
それでも僕は毎日、
こうして君を待っているんだ。
君との思い出にひたりながら…

乾いた風に吹かれて風鈴が寂しくゆれていた。
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