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象山ノート
2. 「女系になれば皇統断絶になる」
🟥 主張の概要:
男系(父系)でないと天皇の血統が保たれない。母方に天皇の血を引いていても、父が天皇の血統でない人物との間に生まれた子が天皇になれば、それは「皇統の断絶」=「別の王朝の始まり」である。よって、女系天皇を認めると皇統は“完全に断絶”する、という主張。
🔍 検証視点①:血統とは何か?男系にこだわる意味
DNA的には両親から半々の遺伝子を受け継ぐ
- 父母どちらからでも天皇の血は継がれる。男系限定の意味づけは、血統よりも「家制度」や「父系家族観」に基づく思想的構造に過ぎない。
“Y染色体神話”の誤謬
- 男系支持者の中には「男系=Y染色体の継承」とする俗説を唱える者もいるが、これは科学的根拠に乏しく、歴代天皇のY染色体を実際に検査したことはない。加えて、Y染色体の変異や損失、庶子・非嫡出の可能性などを無視している。
🔍 検証視点②:歴史的に見た「皇統」の柔軟さ
養子や側室制度を通じた「血の継承」は、実質的に女系も含んでいた
- 明治以前の皇室は、血統の正統性を“政治的に演出”してきた。例えば、臣籍降下した親王家(旧宮家)からの養子が天皇になった例もある。
持統→文武天皇ラインは明確な“女系継承”
- 持統天皇(女性)から孫の文武天皇への継承は、形式的には男系だが、実質的に「女系を媒介」にした継承であることは否定できない。
🔍 検証視点③:「断絶」の定義と使い方の詐術
「断絶」という言葉に、過度なイデオロギー色
- 女系天皇が即位しても、「初代女性王朝」となるわけではなく、明確に皇族の血を受け継いでいれば、皇統の継続と見なせる。
「断絶」とは本来、血統が完全に途絶える、もしくは他系の乗っ取りを指す
- 女系でも直系に天皇の血があるなら「断絶」とは言えない。むしろ、男系にこだわりすぎて継承者不在となれば、それこそ真の断絶。
✅ 結論:「女系になれば皇統断絶」という主張の誤り
女系天皇の即位によって皇統が「断絶」するという主張は、定義の操作によってなされているに過ぎない。
断絶とは、“天皇の血が一滴も残らない状態”のことであり、女系でも皇族の血統が受け継がれていれば皇統と認められる。
男系にこだわり過ぎて、継承者が不在となる未来の方が、「断絶の確実性」は遥かに高い。
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