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ニッキー

ニッキー

映画『リライト』を観た。 青春×タイムリープ×ミステリーと謳われるが、実際は「記憶」と「語り」と「物語」が持つ力をめぐる作品だった。 「これは私だけの物語になるはずだった」──ポスターに記されたこの一文は、ただのコピーではなかった。 登場人物たちはそれぞれ、自分だけの物語を持っていたはずだった。 けれど、思い出とは決して一人では作れない。 その記憶、本当に“あなた”だけのものだと、断言できるだろうか?
この物語では、一人の少女の"過去"をめぐっていくつもの視点が交差し、 やがて“物語”そのものが上書きされていく──まさに『藪の中』構造の現代版だ。 誰もが真実を語っているのに、語るたびに意味がずれていく。 “語ること”が、誰かの人生を変えてしまう、という怖さと尊さ。
そして、美雪の沈黙に込められた強さ。 彼女が過去の自分と再会するあの場面。 ──でも、彼女は何も言わない。 その沈黙には、語らないことへの覚悟と、語ってしまうことで変わってしまう未来への恐れが込められている。 だからこそ、彼女は「自分の物語」を書く。過去を否定せず、語らずに、受け入れて。
原作とはキャラクターも構造も異なる。 とくに友恵の人物像は原作より大幅にマイルドになっている。 この改変そのものが、物語のもうひとつの“リライト”なのだ。 現実とフィクション、語る者と語られる者──その境界を、書き換える。
『リライト』は、青春ミステリーの皮をかぶった“語り”の物語だ。 あなたの物語は、誰の物語ですか?
──これは、「私だけの物語になるはずだった」誰かの話。 でも観た人すべてにとって、“自分の物語”にもなる映画かもしれない
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映画『リライト』を観た。 青春×タイムリープ×ミステリーと謳われるが、実際は「記憶」と「語り」と「物語」が持つ力をめぐる作品だった。 「これは私だけの物語になるはずだった」──ポスターに記されたこの一文は、ただのコピーではなかった。 登場人物たちはそれぞれ、自分だけの物語を持っていたはずだった。 けれど、思い出とは決して一人では作れない。 その記憶、本当に“あなた”だけのものだと、断言できるだろうか?