でもいつまで保つんだろう｜エルベの投稿-GRAVITY(グラビティ) SNS

実家に戻って数日。
まず最初に向かったのは、母が入院している病院でした。

病室のドアを開けて、
「お母さん」と声をかけると、
少しやせた顔に、それでもいつもの笑顔が浮かんで、
「来てくれたのね」と、明るい声が返ってきました。
その声を聞いて、ようやく胸の奥がふっと緩みました。

ただ、入院はしばらく長くなりそうとのこと。
すぐに母と相談をして、お金の管理を私が引き継ぐことになりました。

翌日は朝からいくつかの金融機関を回り、通帳の記帳をしながら入出金の確認。
家に戻ると、いろんな場所からお金が出てきました。
棚の引き出し、保険証の間、そして小さな巾着袋の中にも…。
高齢になってからは管理が難しかったようで、
まるで宝探しのように一つひとつ集めて数えていきました。

その翌日、入院や介護に必要な書類をそろえている途中で、
「介護保険の証書が見当たらない」ということに気づきました。
母に尋ねても覚えがなく、家中を探しても見つからず…。
結局、市役所に行って再発行の手続きを行いました。
委任状と身分証を用意し、即日で新しい証書を受け取り、
それを持って再び病院へ。
ようやく入院手続きがすべて整いました。

その足で地域包括支援センターにも立ち寄り、
介護度の変更申請を済ませました。

母が救急搬送された病院をすでに退院し、
今はリハビリの病院に転院しているため、
これからの支払いに備えて口座からお金を引き出す必要もありました。
けれどキャッシュカードはなく、
戸籍謄本や委任状をそろえて、窓口でようやく手続きを完了。
「お金を下ろすだけなのに、こんなに大変なんだな」と、
改めてキャッシュカードがない時の大変さを思いました。

リハビリに必要な書類の準備も進めながら、
母が暮らす家の段差や風呂の広さ、ベッドの位置などを計測して、
病院の担当さんに提出。
この家で、母がまた安全に暮らせるように――
そのための一つひとつが、小さな積み重ねなんだと感じます。

まだ始まったばかりの実家での日々。
けれど、母の声を聞けたこと。
そして少しずつでも前に進んでいること。
そのひとつひとつが、心を支えてくれています。