明日からダイエット‼️｜よしの投稿-GRAVITY(グラビティ) SNS

【短編淫夢ミステリー -疑心暗鬼と化した後輩-】

俺の名前は田所浩二。イタズラが生きがいの大学生だ。
水泳部と空手部を掛け持ちしている俺は、ただでさえ体力の限界なのに、大会が近くて練習量も倍増。最近はストレスが溜まりまくっている。

こういうときは、誰かにイタズラして発散するのが俺の流儀。
今回のターゲットは、空手部の後輩・木村だ。

「なあ木村、喉乾かない？近くの自販機でアイスティー買ってきたんだけど、一本どう？」

木村は俺を見るなり、眉をひそめた。

「……先輩が優しいときって、ろくなことないんですよね。そのアイスティー、何か入ってるんじゃ？」

（ドキッ……ま、まさか……？
いや、落ち着け田所。
俺のトリックは完璧。木村ごときに見破れるわけがない）

「何言ってんだよ。じゃあさ、この2本のペットボトルから、どっちを飲むか木村が選んでいいぞ。そしたら安心だろ？」

「……それなら、右手に持ってる方をください」

「はいよ。しっかり受け取れよ！」

そう言って、俺は右手に持っていたペットボトルを木村に向かって雑にポーンと投げた。
木村は反射的にキャッチ――した直後、顔色を変えた。

「……これ、もう開けた跡ありますよね」

「へ？そ、そんなわけ……」

「先輩。僕より先に、アイスティーを飲んでみせてください」

（クッ……やっぱり疑ってきやがったな。でも大丈夫。
想定内だ。こっちは完璧に計算済みだ）

「よしよし、見とけよ見とけよ〜」

俺は左手に持っていたもう一本のアイスティーのキャップを慎重に開けて、ある程度アイスティーを飲んでみせた。ごくり。
ふふん、これで安心するだろ。

「な？大丈夫だっただろ？そもそも、木村がどっちを選ぶか分からないのに、細工なんてできるわけ――」

「違いますよ」

木村は、俺の言葉をピシャリと遮った。

「先輩が飲むべきなのは、僕が選んだ方のアイスティーです。選ばれてない方を飲んでも、意味ないでしょ？」

「……えっ」

「オラ、ナメてんじゃねーぞ」

目の前がぐらりと揺れた。
木村に睡眠薬入りのアイスティーを飲まされた俺はゆっくりとその場に倒れ込んだ。

――どうして、俺のトリックはバレたんだろう？

【推理タイム】
なぜ、木村が選んだペットボトルにだけ睡眠薬が入ってたのか、その手口を推理してみましょう。