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Toshizo
ある一枚の写真。
書類を整理して偶然見つけた埃まみれの一枚の色褪せた写真。
記憶が鮮明に再現され、いやそれ以上に華やかに
美化の物語を携え色付けされていく。
今の僕には忸怩たる想いも呼び起こす。
大学の卒業を控えた数日前に失恋した。
僕が独りよがりで定義した真の恋は後にも先にもこの恋だけかも知れない。
中学受験の進学塾で大学4年の春に事務員として飛び込んだ。そこには数名卒業を控えた学生男女が4.5 人。そして10歳程歳が離れた既婚の女性(以後彼女)。
彼女は事あることに僕をバイト学生で一番素敵だよと褒めてくれた。最初のうちは気を使ってるんだろうと軽く聴き流していたけど。
まもなく就職活動が始まり、3ヶ月程空白となった。
復帰した時仲間全員が、姿が凛として良くなったと言ってくれた。面接等心身疲れ果て体重も5キロ程落ちたのに。学生から大人への変化の兆しを醸し出していたのかも。
彼女はより僕を褒めて、当時恋人などいなかった僕はいつしか彼女の顔を見ることで心を幸せに満たし、恋心を抱いた。愛してはいけないとわかっていても。同学年の女の子には興味を引かないのに。
態度が露骨に出ていたのだろう、彼女は既に勘づき、ある時ふとメモを渡してきた。仕事の指示かなと思うと「誕生日いつ?」との文字が。
僕は舞い上がり返事と同じ質問をした。
その時、僕はいけない事に進むのかなの怖さ以上に嬉しさの感情が優っていたと想う。
彼女の立場を尊重して恋人みたいな真似事の交際を続けた。プラトニックな交際を。
大学、バイトの卒業間近、彼女からいつもの様にメモが渡され2人で会うことに。一日出かけて夕食に。
夕食時の彼女が発した言葉「今までありがとう。でも好きって一度も言ってくれなかったよね。今日がこれで最後だね、これから頑張ってね」
この後に撮った一枚の写真が今までの全て。
僕は、罪の意識から「愛してる」の言葉を一度も彼女に贈れなかった。本当に大好きだったのに。
彼女は僕をどう想い時を共にしたのだろう、彼女からも「愛してる」の言葉聞けなかった。僕は聞こうともしなかった。
答えとその時の時間が壊れるのが怖かったのだろう。きっと。
そしてそれは正しかったと想う。
彼女の真意を知るのが怖かったから。
#米津玄師 「Pale Blue」




Pale Blue
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彼女が離れることを選んでくれてよかったなと思います。 今幸せであって欲しいですね✨
🐬こころ🍀
Toshizoさんおはようございます(*^o^*)
yumi🫧𓂃𓈒𓏸
おは ようヾ(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝)ノ☀️。° やさしさ☘️は届いてます💓 素敵✨な1日を🙌
ふわり
切ないけど 彼女がきちんとしている人でよかった。好きって言わなかった事が今思うとよかった事だと思います。言っていたら別れがもっと辛くなってるし、よくない方向にいってたかも。
кu 𓂂ꕤ
その言葉が 欲しい時 あるんだよね… (,,- -,,) おはようございます