と云いながら、一枚の紙切れを渡わたしました。ジョバンニはその人の卓子の足もとから一つの小さな平たい函はこをとりだして向うの電燈のたくさんついた、たてかけてある壁かべの隅の所へしゃがみ込こむと小さなピンセットでまるで粟粒あわつぶぐらいの活字を次から次と拾いはじめました。
180後半あるであろう業者さんが、「痛っ」て言いながら入口を通過したので、まさか?みたいな顔で私が振り向いたら「古い建物の入り口だと当たっちゃうんですよね」ってにこやかに言われて……確かに言われてみればそこの扉他より小さい気がするけど、今まで考えたことすらなかった……