② 道路が白くなり始め 立て札には「村内徐行」の文字が書いてある。 「村！？」といつもなら自己解決をするのだが そんな状況では無い。 旅行前の車のエンジン整備時に気づいていた。 私の車のスタッドレスタイヤは 溝が無くてスリップサインが出ている事に 性能はサマータイヤと同等でスタッドレスっぽいタイヤになってしまっているのだろう。 それに、スタッドレスタイヤは路面凍結向けのタイヤであり積雪走行用ではない。 実際にスタッドレス装着直後の急な積雪時に信号前でブレーキを踏んでも15mくらい滑って青くなったのを覚えている。

③ 話を戻すと酷道400号の昭和村近辺は 除雪作業をしても追いつかないほどの豪雪地帯なのだろう。 新潟から抜けてきた道は7‰が最大値だがそんなレベルではない 7‰なら1000M進んだら7メートル登る勾配の角度なんだが どうにも‰(ぱーみる)よりも傾斜角で話をしたほうが良いのではないだろうか？ バリバリの峠である。 ヘアピンカーブもバリバリに存在する。 私はドリフトは(使う車種も運転手もギャラリーも)大キライなのだが そのような人々は狂乱麗舞であろう。 その左側の細いワイヤーがゴールだ！ どうぞ！

④ そんなヤバい雪道を走行していると 後ろからライトを点灯した車が追ってきているでは無いか！！！ 車種は4輪駆動のSUZUKIの軽自動車 もう、、、積雪もなんのその という出で立ちである。 私は、空転が怖く、速度を落として進むのだが 追走車はドンドン距離を詰めてくる 速度を落とさず走り続けてくる。 だいたいこの車種を好む方はそこそこに社会的地位がありなおかつ輩を嗜む非常に厄介な方々が多い。 それよりもトラブルになった時に助けを呼べるのだろうか？ ガソリンスタンド　消防署　病院　交番 全て1時間以上前に見たのが最後である。 まぁ普通に眼の前にタラタラ走る車がいたらムカツクわな。

⑤ そうして私はたまたま合った脇道に逸れて追走車をかわしたのである。 ハザードをたいて走りゆくさっきまで追走車だったのが先頭車に、、、 時速50kmで走り去って行くのが羨ましく見えた。 そしてその小さくなっていく車体を見つつ、私は車を発進させた。 この直後より道の残雪がより酷くなる もはやセンターラインが見えなくなってきた。 いや、恐らく村民が固めた雪をガイドにしないと走れないくらいの残雪であった、、、 停止をしたら終わる。 坂道も登れるかヒヤヒヤしながら進んだ。 山頂であろうか？ そこには悪夢ではないか くらいのことがあった。 「100メートル先工事中片側車線規制」

⑥ それは追走車が私を追い越して数分の出来事であった。 (嘘だろ？そんな話があるのか？) そこには時間経過で信号が赤から青に代わるタイプの車線規制があり 相互通行が出来るタイプの規制があった。 そして、、、律儀に停車しているSUZUKIの四駆 (対向車も来ないんだから行けよ！) って心底思った。 1人ならクラクション鳴らして進んだ。 ちなみにコレは法的拘束は無い任意に基づいた規制らしく 無視しても自己責任とのこと 私は夜間など明らかに車がいない時は無視している。 が、、、都内ナンバーの四駆は停車している。 急いで信号を探すと、、、 28秒、、、、コレは私も停車するしかないようだ。

⑦ 私は舌ピアスをカチカチ鳴らしながら四駆の後ろに停車した。 案の定対向車は来ない。 工事用の赤信号が青になり颯爽と進み始める四駆 続いて私も進もうとしたのだが、、、 アクセルを入れても空転する。 終わった、、、 ギアを1速　2速　バック どれも空転する 終わった、、、 助けも呼べねーしなんとかするしか無い。 とりあえず1速で何回かアクセル入れたら脱出できた。 それからは下り坂になり、 ヒヤヒヤしながら下り続け いつの間にか下山した。 そして気づいた。 さっきの四駆に追いついていることに 下山してもうすっかり道路も本来の黒い道路になった時の信号待ち

⑧ 信号で四駆の後ろで待っていると 室内は初老の夫婦であろうか？ ルームミラーで僕の車を指差し 会話しているようだ。 (空転してたの気づいてたな？) 帰って来れたからいいんだけど チェーンは検討しよう。

⑨特にオチも無く　　　完