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大木凡子(おから)

大木凡子(おから)

花葬

猫が亡くなっても泣いたことがない。堪えてるわけでもなくて、平常運転というのか。危篤状態の時は病院と相談してやらなきゃいけないことをこなして、(実際忙しい、いろいろやることがある。)亡くなったら亡くなったでお寺さんに連絡して葬儀の予定を立てて、葬儀までの間はひたすら切り紙をして白い花を作るのだ。紙の花は棺に入れるために切っている。火葬時に骨に色がつくからご遺体から生花は離して下さいと言われてから生花の代わりに紙の花を入れるようになった。うんともすんとも言わなくなった猫の横でひたすらコピー用紙を切る。用意したダンボールに白い花がいっぱいになるまで。
狂気なのかファンタジーなのかはさて置き、それがワタシのルーティンなのだ。
そうしてワタシの猫は灰となり、空に還る。
紙の花と一緒に。

初めて一緒に暮らした猫と別れて以来、未消化にした気持ちは夏が佳境に近づくと毎年波のように訪れて、ワタシを混沌へと誘う。
泣く機会を逸し続けた呪いなのか毎年ツクツクボウシが鳴き出す頃鬱状態になるようだ。

ツクヅク惜シイ ツクヅク惜シイ
サビシイヨサビシイヨサビシイヨ

セミの声さえ変に聞こえ出す。


猫たちは夏が終わると逝ってしまう。
何度も何度もそうだった。
ワタシは深層心理で夏が終わってほしくないと思ってるのだと思う。


一瞬で紙の花が炎に消えるのを見たくもないのに眺めてる、これが済んだらビール飲みながら映画を観ようと頭の端っこで考えながら...

#猫と暮らす
#三文小説
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