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かなめん
6年生のある日。日差しに照らされた校庭を見ていると、キラキラと光るものに気がついた。
その光るものは、保育園時代から良く知っているものだった。
俺はその、光るキラキラを目指して歩ていった。
キラキラに近付き、しゃがみこんで、まわりの砂ごとすくいあげた。手の平の砂の中には、光る粒があった。粒は無色透明で丸みを帯びていた。
俺は何か容れるものがないか探した。ランドセルから、とりあえずノートを出し、一枚切り取って皿がわりにした。
ああ、だから放課後の事だ。
すくった砂には、たくさんの光る粒があった。俺は大きな粒を選んではノートの皿に乗せた。
そうそう俺は、この光る粒を「光る砂」と呼んでいた。そして、保育園の頃から、時々こうやって集めていた。
校庭を見ると無数の光る砂が、キラキラと、太陽の光りを浴び、あふれかえっていた。
その時、俺は見たことなかったが、きっと宝石ってこんな感じなのだろうなあと思った。
そして、ふとサン・テグジュペリの「星の王子さま」の、お話を思い出した。
「砂漠が美しいのは、どこかに井戸をかくしているからなんだよ……」
と、確か王子さまが言っていたなあと、思い出していた。そして、その言葉を俺はもじって。
『校庭が綺麗なのは、小さいけどこんな綺麗な「光る砂」が、たくさん隠れているからだろう』
と、思ったのだった。
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