大きくなるにつれて出来ることが増えると思ってた。勉強も絵も、できることが増えるって根拠もなく思ってた。でも現実はそうじゃなかった。歳を重ねるにつれて、出来ることがだんだん少なくなっていった。勉強は挫折し、絵は楽しく描け無くなっていた。いつしか学校の先生に怒られる日々が当たり前になって、買い込んでた画材を持て余すようになった。そんな日々を過ごしてはや20年足らず。目標は霞んで見えなくなり生きる理由がわからなくなった。進路さえ定まらず毎日を惰性に過ごし、時折訳も分からない不安と恐怖と焦りに苛まれて暗闇の中声を殺して泣く。自身の中に居座るわだかまりから目を背け、自分の体に赤い線を無数に引いた。痛みがある間は自分を騙すことができるから、知らないフリを出来るから。泣き疲れて寝た日、小さな自分と夢の中で会った。まだ皆から期待してもらってた自分、皆から褒めてもらえてた自分、親の愛を疑うことなく受け止めていた自分。そんな小さな自分の瞳はキラキラと輝いていた。社会の裏側を一切知らない純粋だった自分をじぃっと見る。キラキラと輝く瞳には、真っ黒として光のない瞳を持った自分が映っていた。突拍子もなく小さな自分は僕に問いかける「○○はいい子のままでいれた?」屈託のない笑みが尚更自分の心を抉る。耐えきれず少し泣いた後、目線を合わせて答えた。「大きい○○はいい子になれなかった、ごめんね」
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