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社不クジラ
顔のパーツしかみえんwwwww
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とも
なんで顔合わせるとベラベラ喋るかなぁ
黙って食えよ
興味ねぇ話ばっかしやがって

たまあい


たかさん

アクア−Devil
天保の頃、深川の裏長屋に一人の若い男が住んでいた。
名を辰吉。元は吉原の火消しだったが、ある一件で足を悪くして抜け、今は細々と易者をやっている。
辰吉の易は妙なものであった。
札も筮竹も使わず、ただ小さな古い磁石を掌に載せて、客の顔を見ながらそっと揺らすだけ。
それで「この人は今、右に傾いてるな」とか「こっちの人は左に引っ張られてる」といって、
あとは普通の易者のように適当に、しかし妙に当たることを言う。
ある秋の夕暮れ、ひとりの客がやってきた。
四十前後の武士。着物は上等だが、裾が擦り切れ、刀の鞘にも白い細かな傷。
明らかに落ちぶれた御家人だ。
「…辰吉か。噂を聞いてきた」
武士は座るなり、懐から小さな紙包みを置いた。
中には銭が二朱。易者としては破格の礼だ。
「俺はもう、生きる方向がわからなくなっている。
右に進めば恥を重ね、左に進めば死ぬしかない。
お前なら…わかるのか?」
辰吉は無言で磁石を取り出した。
古い鉄の塊。昔、火事場で拾ったものだという。
磁石を掌に載せ、静かに息を吐く。
少し揺れて、ぴたりと止まった。
「……北東」
辰吉は小さく呟いた。
「は? 方角だと?」
「ええ。北東です。
今のお前さんは、どっちに進んでも磁石が狂う。
どっちも『正しい』方角じゃない。
だから磁石は、北東……つまりどっちにも属さない方角を指した」
武士は鼻で笑った。
「ふざけた易だな。結局何も言ってねぇじゃないか」
辰吉は肩をすくめて、磁石を懐にしまった。
「俺は磁石の気持ちを代弁してるだけです。
あんたがどっちに進みたいかじゃなくて、
磁石が『どっちにも行きたくねぇ』って言ってるんですよ」
「……それで?」
「だから北東。
どっちにも属さない道。
恥も死も選ばず、でも今までの道とも別れる道」
辰吉は窓の外を見ながら、ぽつりと言った。
「江戸の粋ってのはさ、
『どっちも選ばない』って選択を、
見栄え良く、格好良く、見せる技術なんだと思うんですよ」
武士はしばらく黙っていた。
やがてゆっくり立ち上がり、紙包みの二朱はそのままに、
一文銭をもう一枚、そっと磁石の上に置いた。
「礼だ。磁石に、な」
そして踵を返して出ていった。
それから三ヶ月ほど経ったある日、
辰吉は深川の川端で噂を耳にした。
「最近、変な浪人がいるらしい。
着物はボロだが、妙に落ち着いてて、
喧嘩も博打も女も寄り付かねぇ。
ただ毎日、隅田の東側の方角で、
ぼんやり空を見上げて酒を飲んでるってよ」
辰吉は小さく笑った。
磁石は今でも、時々勝手に北東を指すことがある。
まるで「あの旦那は、まだあっちにいるよ」と言っているみたいに。
そして辰吉は思う。
――結局、粋ってのは、
磁石が狂うような世の中で、
それでも自分の北東だけは、きっちり守り通すことなのかもしれねぇな、と。
(了)

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