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ぜ
色を抱えて歩く少女
世界に色が戻ってから、まだ数日しか経っていなかった。
街は鮮やかな光に満ち、人々は毎日のように「これは何色だろう?」と浮き立つように話していた。
けれどユナだけは、色が戻ったはずの世界の中で、どこか落ち着かない気持ちを抱えていた。
空の青は美しい。
木々の緑は優しい。
人々の頬を染める赤みは温かい。
なのに――胸の奥に、小さなざわめきが残ったままだった。
それはまるで、誰かが遠くからユナを呼んでいるような、そんな透明なささやきに似ていた。
ある夕暮れ、ユナはふと気づいた。
自分の影だけが、どこか薄く揺らいでいる。
街灯の足元に落ちた影が、わずかに遅れてついてくるのだ。
気のせいだと思おうとしても、その揺らぎは日ごとに大きくなっていた。
「……あなた、まだ言いたいことがあるの?」
ユナが影に問いかけると、影はゆっくりと形を変え、
かつて霧の中で出会った“影のユナ”の姿へと変わっていった。
“また会いたかった”
影の声は、風のようにかすかだった。
ユナは胸の奥がぎゅっと締めつけられるのを感じた。
「会いたかったのは私も同じ。でも、どうして姿を見せなかったの?」
影のユナは少しだけ微笑んだ――寂しげに。
“あなたが色を手に入れたから、私はもう必要ないと思った”
“でも、あなたが色を知っていくほど、私は逆に形を失っていったの”
ユナは首を振った。
「そんなことない。色を知った今だからこそ、あなたが必要なんだよ。
だって色って、明るいものだけじゃない。
影があるから、色は輝けるんでしょ?」
影のユナは一瞬、驚いたように目を見開いた。
そして、少しだけ安心したように揺らめいた。
“……でも、私はもう庭には入れない”
その言葉にユナの呼吸が止まった。
「どういうこと?」
影は苦しそうに続ける。
“花彩命の庭は、心を開いた者にしか応えない。
私は、あなたの“影”でしかない。
だから庭に触れることができない。
庭の色が増えるほど、私は存在を薄められていくの”
ユナは胸の奥で何かが崩れ落ちるのを感じた。
庭が色づいたのは嬉しかった。
世界が鮮やかに戻ったのも嬉しかった。
でもその裏で、影の自分が静かに消えかけていたなんて、想像もしなかった。
「やだよ……そんなの。
あなたも、私の一部なんだよ?
置いていきたくなんて、思ったことないよ」
影は弱々しく微笑んだ。
“でも、あなたは色の世界で生きる人間。
私は、かつて灰色の世界に閉じ込められた感情の残り香。
色の世界には長くいられない”
影の身体がふわりと揺れ、粒子のように崩れ始める。
ユナは反射的に手を伸ばしたが、その指先は影をすり抜けた。
「やめて……消えないで!」
影のユナは、最後に静かに言った。
“もし私を本当に必要とするなら、
あなたの“色”の奥底をもう一度見つめて。
私はそこにいる。
色の下に隠れた影の場所に、きっと還れるから”
そして影は、風に溶けるように消えていった。
ユナは、その場に膝をついて泣いた。
影を失った心は、まるで色の裏側が空洞になったように痛かった。
――そのときだった。
胸の奥で、微かな光が震えた。
花彩命の庭の、あの光の音。
まるで遠くから「来てほしい」と呼ばれているような。
ユナは涙を拭き、立ち上がった。
影を取り戻すために。
影と共に生きるために。
そして、自分の色を“完全な色”にするために。
「……行くよ。
あなたが戻れる場所を、私が作る」
夜の街を抜け、彼女は再び森へ向かった。
色を抱えて歩く少女として。
そして影を探す者として――。
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抹茶
ひたって…笑
いい歳したばばあが。笑
まあ…心の安定剤だよねー。

、

ニギリめし
回答数 1>>

あん

でぱす
こんなんじゃだめだー泣

琥珀

ネコン

のん

頭痛
泣きたくても笑顔笑顔[笑う]
年齢だけは大人だからね
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玉葱🍅

ねる
暑さで食欲出ないからいいんだけど

王子961
オフに外出たら手持ち溶けそう

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