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ささら
『三体Ⅰ』の魅力は門外漢でもスッと入れる物理学のわかりやすさと圧倒的説得力だろう。SFの醍醐味である「想像世界に触れるワクワク」と「知識欲が満たされる喜び」が同時に押し寄せ、ページをめくるほど世界が広がっていく。文化大革命という歴史的背景と物理学が横断的につながり、まさにリベラルアーツ的な知的興奮を味わえる。
なのに、どうしても「読む熱」が篭らない。好きになりたいのに、どうも乗り切れない。その最大の理由は思想の弱さにある。
三体に傾倒していく陣営の理念がどうにも薄い。葉文潔のパートでも、文化大革命に絡む部分だけ飛び抜けて面白いのに、三体側の思想そのものはどこか空虚で熱量がない。米は美味いのに、おかずがどうにも物足りない、そんな虚しさが残る。
特に「人間は他生物を滅ぼす悪である」⇨「ゆえに種の共産主義へ」
という思想の流れが浅い。人類的な倫理で人類を断罪する構図は滑稽ですらある。もっと生物としての冷酷さ、非人間的な論理が欲しいのだ。
そこで最も物足りなさを感じたのが、マイク・エヴァンズの思想である。彼は木々を「静かで善良で、美しい生き物」と見なし、それを伐採する人間を悪とする。しかし、木と人間はそんなに違うだろうか。
たとえばオーストラリアのユーカリを見てほしい。
毎年のように巨大な森林火災が発生し、ひどい年には9万平方キロメートル(東京都の面積の四倍以上)が燃える。こういう時に真っ先に疑われるのは人為的な原因だが、真の黒幕は自然そのものだ。そしてその自然の中心に、ユーカリがいる。
ユーカリは揮発性の高いテルペンという油脂成分を作る。乾季のオーストラリアでは、これはもう「どうぞ燃やしてください」と言っているようなものだ。落雷一つで激しく燃え、延焼し、山火事は大地を焼き払い、ユーカリ自身をも焼き尽くす。
だが、なぜ木がそんな「自殺行為」をするのか。答えは、生存戦略としての圧倒的合理性だ。焦土となった土地に真っ先に芽吹くのがユーカリ自身なのである。火で競争相手を焼き払い、資源を独占し、先駆者の利益を得る。ここに人類的な強烈な合理性が垣間見える。
こんなにも残酷で、冷酷で、利益のためには手段を選ばない生存戦略を持つ生物が現実に存在するのだ。というか小さな虫一匹に至るまで全ての生き物が遺伝子という恐ろしく残酷で合理的なシステムで生きている。僕が欲しかったのは、こうした「狂気を含んだ自然」の視点だった。『三体』の思想描写は、まだ生命の残酷な本質を掴みきれていない。美しい部分だけを見ているように感じてしまい、どうにも物足りないのだ。
第二巻では、むしけらの「狂気」を見せて欲しい。世界観は魅力的なのだから、もっともっと面白くなるはずだとつい期待してしまう。
コメント
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えでぃ
中世の城とかを参考にする事が多いから石と木の建築が多いな🤔
来年はSFな感じとかの拠点も作ってみたい。
ARK建築はいいぞぉ
#ARK #ASA #ARKSurvivalAscended


🌧️
結局は周りを大切にする人の方が愛されるし何事も上手くいくんだなって
今までは弱すぎてそれができなかった…

こうき
財布拾ったから善とか、盗んだから悪とか。
そんなん考えずに曖昧、✨𝗙𝗮𝘇𝘇𝘆✨で行こう😁

なめこ
🥴
こんな感じの顔になってる

バヤッシ-
シンプルに塩だけだがおいしいんだよな•••

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こーた
これが本当なら阪口晴南選手が次期先生役、ヨコハマタイヤのエースになるぞ!で、国本選手はどこ乗るの?石浦選手の後任?どこ?
ヨコハマタイヤの開発に国本選手は絶対必要だと思うけどなぁ

るーり
#なんか見た

かんら

😇新生

かんら

すいし

JAS フォ

JAS フォ

ふぁに
これは声がでかいとかじゃないんよね。
響かせ方でしっかり音が鳴る感じ。
だからゆうやの歌声に恋したのだ。

ものぐ
この3人獲りにいくのもいいかもしれんね
この2年で酷使されたリリーフを来年は上手く休ませる運用するならリリーフの数増やすことは必須
二軍回すのにもイニング食ってくれてた秋山が引退したから投手はなんぼおってもいい
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ごから(5辛じゃない
ドラマ化してるみたいね