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シオン

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みー♡
また来年遊びにこよう。

nar







ヤギ
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ゆうな
だれもあいてしてくれない。
こどももいそがしそう。
さみしいな…
長期おやすみ大嫌い


るつどん


ハーロック
男は、少し離れた位置で止まった。距離を詰めない。覗き込まない。
ただ、落ち着いた声で言う。関西弁が少し混じる。
「自分、水、足りとるか? 花、乾くで」
彼女は戸惑いながら柄杓の桶を見た。水は、少ししか残っていない。
それが、今の自分みたいだと思ってしまう。
「……あ、すみません。大丈夫です」
大丈夫、という言葉が口から落ちる。
大丈夫って、何が。
花? 自分? 彼のこと?
考え始めた瞬間、胸がまた狭くなる。
男は肩をすくめた。
「大丈夫って言う顔してへんやろ。ほら、水場ある。ワシ、汲んでくるわ」
断る隙もなく、男は水を汲んで戻ってきた。
花立てに、静かに水を注ぐ。
水が石に触れる音が、やけにやさしい。
「ありがとうございます」
彼女が言うと、男は頷いただけだった。
その“頷くだけ”が、妙に助かった。
慰められるより、現実をひとつ整えられる方が、今の彼女には効く。
沈黙が落ちる。
その沈黙の中で、彼女の胸だけが忙しい。
「……よく、来るんですか」
彼女は、つい聞いてしまった。知らない人に話しかけるのは久しぶりで、声が少し震えた。
男は墓石の文字を読むでもなく、線香を見るでもなく、空を一度見上げた。
「来る人は、よう来る。来ん人は、来ん。
どっちが正しいとか、ない」
彼女は花の茎を揃えながら言う。
「……私、三年です。ずっと、ここに来てます」
男は、ゆっくり頷いた。
「ほう。……ようやっとるな」
その一言が、胸の奥に刺さった。
“ようやっとる”なんて、いつ以来だろう。
自分はただ、止まっているだけだと思っていた。
止まっているのに、疲れる。止まっているのに、年だけは進む。
「ようやってるって……私、ただ……」
言葉が続かない。
“ただ、忘れたくないだけ”
“ただ、怖いだけ”
喉の奥で絡まって、息にならない。
彼女は、意地みたいに花をもう一度整えた。
綺麗に揃うと、少しだけ心が落ち着く。
だから余計に、こう思ってしまう。
——ここに来てる間だけ、私は“まとも”でいられる。
「……ここに来てる間だけ、安心できるんです」
言ってしまった。
言った瞬間、涙が出るのを先に感じて、彼女は慌てて瞬きをした。
男は「そうか」とだけ言う。
優しいのに、甘くない声だった。
「自分がここに来るんは、愛情や。
でもな、愛情ってのは、鎖みたいになったら苦しい」
彼女は顔を上げた。
「私、縛ってないです」
声が少し強くなる。
自分を守るときの声だ。
だって縛ってない。縛ってないはず。
彼は何も言わない。言えない。だから——。
#希望 #自作小説

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