蝉の声に耳をすまし息を殺して近づいて行けば、蝉はまるでこちらに気づかないのです。然るに、あと一歩で捕まえられると思いきや、既のところでいつも逃すのです。それはまるで僕の人生そのもののように感じてしまい些か悲しくなるのですが、いつもの事と割り切れる自分もまた存在するわけでありまして