日本シリーズ、試合に展開があんまり無いからずっとCM見てるな笑

【婚活パーティーに友人と行く９】#まる婚活

婚活パーティーで見事カップリングして、メッセージに困っている友人である。

「えーっと…どうしよう…」
友人はひたすらアワアワしていた。
私は車を出発させようとしていた手を止める。
『どんなメッセージなの？』
「よろしくって書いてある」

『さっきはありがとうございました、こちらこそよろしくお願いします、って書いたらいいよ』
「う、うん！」
一生懸命にスマホを入力する友人。
「送った！」
ご満悦の笑みである。

ひと息ついて、また車のハンドルに手をかける私。
『…よーし！　ようやくパーティーも終わったんだから遊びに行かなきゃ！　どこ行く！？』
「あ、えーっと、どうしようかな」

もじもじとする友人。
どうやらさっきのラインが既読になったか気になって仕方ないらしい。
気にせず私は話を続ける。

『喫茶店でお茶しようか！　それともデパートをブラブラしながら雑貨を見るとか！』
「うーんと…　えーっと…」

『この前、雑誌に載ってたケーキ屋さんとかどうかな？　時間も微妙だから逆に空いてるかも！』
「えっと…　えーっと…」
『好きなところを決めていいよ！　ナビがあれば行けるから！』
「えっとえっと…」

しばらくもじもじし続ける友人。

「あっ　もう返事が来た！」
スマホに食いつく友人。
「いつ空いてる？だって！　どっか喫茶店でお話ししたいって！　なんて返事しよう…」

『…ははっ』
思わず吹き出してしまう私。

「まるちゃん？」

『…いや、まっすぐ帰ろうか』

こりゃあ、何したって上の空だな。

車を発進させる。
助手席でスマホを凝視する友人を乗せて。
どこにも寄らないで、もう帰ろうか。
たまにはそんなのも良い気がする。

「…でも」
何か言いたげな顔をする友人。

『ほら、それより返事をしてあげなきゃ可哀想だよ』

友人は初めての婚活パーティーとカップリングで、遊びどころではないのは明確だった。
そんな友人を引きずり回すのは気がはばかられた。

『また今度にしよっか』
「…うん」

高速道路に入ると、外には似たような景色がずっと繰り返して広がっている。
必死にラインを送っていた友人はいつの間にか助手席で寝息を立てていた。

昨日は緊張で眠れなかったんだろうと容易に想像できる。
ようやく肩の荷がおりた気分なのだろう。