池袋の地下。鳩が出口を探していた。人は過ぎ去り、誰も鳩を見ていなかった。僕が鳩を見ていたのは、一般的にはそれだけ暇だということかもしれない。ただ、個人的には、僕も一羽の鳩だった。出口のないまま、ただ迷っていた。