確かに文章の中で出生を真っ向から否定する事ができていませんね。。 ちょっと長いですが、いくつかに分けて考えを並べてみます。

人間が生きることを「どちらかといえば世界に肯定されるべきもの」として捉えられるようになるためには、学びと思考を放棄する必要があります。(しかしこれらは生き残るために必要) これらは、既に現在生きている人間が 現在や未来に対して感じる"破滅" への不快感(恐怖含む)から逃げるために身につけて探究していくもので、この世界に存在してしまっているからこそ行う 生きている人間による生きている人間のための作業(サイクル)です。

これを生者のみの権利と捉えるか、義務と捉えるかは人によって違うと思います。 (生き甲斐や暇つぶし、凌ぎなどと表現されます) 選択権のない、未だ生まれていない人間がこれらを権利と捉えられる保証を、現在生きている人間が生のための作業の中で作り出せない(生きる理由を説明、実装できない)のなら、出生自体が素晴らしき命を育むことではなく呪われた犠牲者を生産することになり得ます。 たとえ素晴らしき命として生まれた人間であっても、延々と繰り返される日々の中で生きる理由を探す時、同じように学習と思考を突き詰めていく必要があり、この行為自体が自身を 素晴らしき命から呪われた犠牲者に変えてしまいます。

このように生きるための手段と生きるという目的が矛盾することは苦しみを生み出します。 生きるということ自体がそのサイクルを存続させることを意味するので、 新しい命を育むことはこのサイクルに犠牲者を参入させる行為であり、人の苦しみを良しとしない私の倫理観が出生を否定しています。

スパム級に長くて申し訳ありません！！

@やわらかニードル ： 返信ありがとうございます。 つまり、、、 生を無条件に肯定する為には、思考を手放す必要がある。しかし、思考を手放すと楽だが、それは結局は自分の生存可能性を狭めるという点で、現実的では無い実践である。故に、人は｢学習と思考｣からは逃れられない。 そして、生きる為に必要不可欠な道具であるはずの｢学習と思考｣を突き詰めると、それが却って、そもそもの｢生の意味の空白｣を捉えてしまい、苦しみにつながる。その苦しみを埋めようとして、人は生の意味を探すサイクルに自らを投じざるを得なくなる。

@__yasu ： そして、現在生きている人間が、この｢意味の空白｣に対する、明確で普遍的な｢答え｣を提示出来ないなら、この答えを探す苦しみのサイクルに新しい命を巻き込むことは、倫理的に再考されるべきだ。 という論理ですね。確かに理にかなっていて、最もだと思います。 しかし、私のような、未だ出生について明確に否定でも肯定でもない立場の人間が思うところを挙げるとすれば、 ｢意味の空白は必ずしも不幸を意味しないのでは？｣という反証可能性です。 実存主義的な視座から再考すると、それこそ｢学習と思考｣、そして創造を通して、空白のカンヴァスに自由に｢意味｣を描くことも、生きている人間には可能なのでは？とも思います。

@やわらかニードル ： ただ、実際にキャンバスに描くような自由な幸福のための作業には、現実的に"前提"が必要で、誤解を恐れずに言うと "既に運良く持っている者" にしか与えられない特権です。つまりは当たり前に生きていく事が出来るという前提が揃っていないと、やはり生き残る意味そのものに疑問が残ります。 (ここで不幸な学習と思考のサイクルに入ると考えます) これらの前提が揃う事象を 自身でコントロール可能なものとして捉えられる状況にいれば出生を否定する立場を取らないと思いますが、現実的に多くの場合コントロールは難しいように思います。

@やわらかニードル ： 故にこのルールの外側にいる「新しい命」には希望的責任ではなく確信的責任を持つべきと考え、自由を描く悦びを与えるための仕組みをあらかじめ用意する必要があると考えております。 しかしそれは実際にはどうしても難しいので、命が犠牲になるリスクを避けて仲良く絶滅した方が良いことかもしれない、という一時結論に至っております。

@やわらかニードル ： 納得いたしました。 つまり、その意味を描く自由ですら、予め確固たる土台が整っていてはじめて得られる代物で、それは実際運に左右されるところが大きい。 だから私たちは、その土台を確実に提供出来る保証と責任を請け負えない限り(現在は未だ出来ない)、子供を産むことは避けるのが倫理的に適切だろうという結論ですね。 非常に整合性の取れた議論だと存じます。おそらく私が今まで触れてきたアンチナタリズムの議論の中で最も。 ご丁寧コメント返信、ありがとうございました。[照れる] 大変勉強になりました。[ほほえむ]

@__yasu ： こちらこそありがとうございました。 ある内容について時間をかけて考える時、必ず生まれる盲点/着眼点/体験があり、リプライをいただかなければ忘れてしまいそうなことを思い出させていただきました。