どんなに手を抜いてもイヤイヤされることからは逃れられないから結局イライラする

「あれ…何だったんだろう…？（独り言）」

私は、指先でそっと唇に触れた。
あの日、何かふわっとした感触を唇に感じて
私は目が覚めた。

すぐ近くにいた君と目が合い
また唇に同じ感触が…。

「うーん…夢？…じゃない…よね…？（独り言）｣

私は、君にLINEを送った。

(あなたは、キス魔ですか？)

＜通知音＞

(キス魔じゃないです…)

「うーん…（独り言）」

＜通知音＞

(寝てる君を見てたらしたくなって…ごめん)

私はもう一度思い返した。

「私、ファーストキスだったのになぁ…はっきり覚えてない…（独り言）」

(今度、また会えますか？)

数日後…。

『おっす！チョコ買ってきたよ！（お、怒ってるかなぁ…？）』

「あっ！これ、この前一緒に食べたホワイトチョコレート！（んー…何にも言ってこないなぁ…）」

しばらくの間
私たちはお互いにあの日のことには触れず
学校や好きな音楽のこととかを話しながら
チョコを食べた。

『あのさ…俺…なんかおかしいや…。君といると…キスしたくなる…///』

「おかしくないよ…だって私もだから...///」

『えっ…？///』

「今日ずっと待ってるのに…全然してくれないんだもん…///」

私を見つめる君と視線が合った。
音が聴こえそうなほど鼓動が早くなり
今まで感じたことがないくらい頬が熱い。

君との距離が段々近くなり
触れるまであと少しのところで
私は目をつむった。

唇から伝わる君の体温。
あの日、生まれて初めて感じた感触。
ドキドキと幸福感でいっぱいで
まるで磁石みたいに君から離れられない。

何度目かのキスの合間に
君がチョコを口にくわえて私の口に入れた。

『おいしい？///』

「うん…いつもよりおいしい…かも…///」

『…俺にもちょうだい？///』

チョコが溶けきる前に君に口付けた。
チョコと一緒に私もとけちゃいそう…。

「私…君が大好き…///」

これが私のファーストキス。

君とホワイトチョコレート。

#WhiteChocolate
#自作