悪魔の囁き: ファンタジー小説『Dクラッカーズ』読了レポート

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ぱっくん

2025/04/17

Dクラッカーズ

富士見ファンタジア文庫版。
久しぶりに長編物を読んで疲れたけど充実感がすごい。

飲むと悪魔が現れ、願い事を叶えてくれるというドラッグ、通称カプセル。
かつて同胞と呼び2人きりでいじめから耐え抜いてきた姫木梓と物部景。
ふたりとカプセルを巡る数奇な物語。

カプセルとはなにか、その流通を牛耳る"無慈悲な女王（セルネット）"は何者か。
それを暴き、闘い、決着を着ける第一幕。
『王国』とは何か、『女王』は何を想い、ファーストセルはなにを企てていたのか。
それを暴き、過去と向き合い、未来へ目を向ける第二幕。
その二幕構成の物語だと勝手に解釈している。

第一幕はひたすら悪魔戦、小難しい話はありつつも意地のぶつかり合いでテンポもよく、やや冗長と言える部分もそこまで気にならずさくさく読めたし、読んでてずっと楽しかった。

第二幕は最初からずっとなんか苦しくて、読む手を止めることも多かったけど、千絵が諦めていないのに自分が読むのを止めてはいけないと読み進めた。
最終巻からは怒涛の巻き返しで感動と安堵と興奮で目をはらすことになった。

長編なので細かく感想を上げていくとキリがないけど、全体を通して考えさせられることも多く、満足度が高い読書体験だった。
古い作品だけどKindle Unlimitedで読めるので未読の方は読んでみてほしい。