地下アイドルの魅力と終焉：トゥラブのラストライブに寄せて

前後不覚、という言葉があります

前後不覚とは、お酒に酔っ払ったりして
正体を見失うほどわけがわからない状態を言いますね

僕はこの、前後不覚になったことがあります
いや、お酒は飲まないのです、体質的に飲めませんから

僕が前後不覚になったのは、うつ病の末の出来事でした

会社ではポンコツ扱いで相手にされず
酷く当たられたり、怒鳴られたり嘲笑われたり
家に帰ったら話しかけるなと言われる状態でした

うまく頭が回らず、考えられず
どうしたらいいのかわからず

真夜中に
寝ることはできず、起きていることもできず
涙とよだれを垂れ流し、膝を抱えてガタガタ震えました

今にして思えば、あれが前後不覚かと思います

ただ、前後不覚はまだ最終段階ではありません
前後不覚に陥った時に、誰かが大丈夫だよと優しく抱きしめてくれたなら、背中をさすってくれたなら

おそらくですが、まだ戻ってこられます

前後不覚は、やがて絶望へと移行します
絶望した人は、一切の感情をシャットダウンします

無表情、というものかと思います
感情が死にます

僕は駅のホームに立ちましたが
おそらく他の人には、ただ電車を待つ人にしか見えなかったはずです

顔をくちゃくちゃにして泣いたり
わめいたりすることは、僕はありませんでした

人間の人格が壊れていく過程とは
かようなものかと思います

もちろんみんな全員がそうなのだ、とは思いませんが、僕の人格が死んでいったのはこのような感じでした

そういう中にありて、僕が生還したのは
違和感です

頭の中に違和感がありました
本当にこれでいいのか、やり残したことはないか

感情は死んでいたので、恐怖心はありませんでした
もしかしたら、だから逆に冷静になれたのかもしれません

僕はそこから帰って来ました
自力で帰って来ました

ごめんなさい
だから、いくら資格や権威のある人が何を言ったところで、何とも思いません
全て戯言に聞こえます

もし、今うつ病で苦しむ人達を救えるというのであれば、言い訳ではなく結果を望みます

僕のような人間を、出してはいけないのです
今、それができていません

だから、僕は投稿を書くのです

僕の体験談や投稿が、苦しむ人の一助になればと
切に願います

#希望 #うつ病