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ぱっくん

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プロジェクト・ヘイル・メアリー

仔細を語ると面白さが半減してしまうので恐ろしく読みやすいSF小説とだけ。
なにか小説を読みたいなと思っている人で本書が未読ならぜひなんの情報も入れずに読んでみてほしい。


以下の感想はネタバレ要注意。




まずは翻訳の読みやすさがとんでもない。
SFに馴染みがなく、海外小説もほとんど経験がない自分でもスルスル読めてしまった。
いや、スルスル読めるなんてものじゃなくて読み始めたら本当に手が止まらない。
下手したら今年読んだ中でいちばん面白かった迄あるかもしれない。

なんと言っても冒頭から結末に至るまで一切飽きのこないワクワク感
今何が起きていて、それを解決するための手がかりがどこかにないか
主人公のグレースと一緒に、あるいは友人ロッキーと一緒に考えながら読むのが実に楽しい。

特にロッキーと邂逅し、お互いの言語について学んでいく過程は読む手が止まらなさすぎてうっかり朝の4時くらいまで読んでいたほど。

SFだけど物語の核となる部分について理解するために科学的素養は不要で、非常にわかりやすく書いてあり、難しいと思う部分は読み飛ばしても理解に支障がない構成なので文系の出の自分でも読みやすい。
プラスアルファでちょっと知識があるとそれはそれでより楽しめるので刺さる層が幅広い。

現在と過去を行き来する構成にも関わらず、登場人物が非常に少ない上に情報の出し方が的確なので今何が起きているのかも把握しやすい。
上下巻で700ページあるので一見するととっつきにくく感じるが、その実下手したら読書初心者でも読めてしまうのではないかとさえ思う。

最後に物語の内容自体にも少し触れると
(時系列上の)最初は地球を救うために命を差し出すことに断固抵抗していたグレースが、友を救うためにその身を捨てる決断をしたという変化
そして最後はエリドから地球へ帰る算段がついたのにまた子供たちを理由に決断を先延ばしにするという相変わらずさ。
そのどちらもがグレースという人間の魅力であり、この小説の好きなところだった。
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