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アッチャー
【ビジネスパートナーと彼女】
3/3 予感
遥子のことについて、俺はなんとなく予感するものがあった。
俺は出逢った女性との間にある種の法則のようなものがあることに気づいていた。俺を振った女、俺から離れていった女の多くは、その後しばらく経ってから、俺に接近してくるのだ。それが数ヶ月後のこともあれば、数年、それこそ10年や20年経ってからということもあった。
その女たちには共通点があった。彼女たちは、悲しみ、孤独、失望の中にあった。そういう時に、俺に連絡をよこしてくるのだ。
数ヶ月前から、遥子は大した用でもないのに、入札のための業務調整だと言って俺を社外のカフェに呼び出したり、夜遅くから電話をかけてきたりしていた。電話の向こうの遥子の声に、俺はこの法則の既視感を感じていた。
龍彦と遥子が席を退いてから、メンバーの気遣いに助けられて場は再び盛り上がっていった。誰も俺たち三人のことには触れなかった。
そろそろ飲み会も締めくくられようとする時間になったとき、スマートフォンにメッセージが届いた。龍彦からだ。
「さっきはすまなかった。事態は、だいたいお前が予想している類いのことだ。あとで詳しく話す」
俺は残りのハイボールを一気に飲み干した。
(おわり)
©️2024九竜なな也
最後まで読んでくださりありがとうございました。

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