この時期に思い出す本当にあった怖い話

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投稿

ゆかりん

2023/07/05

GRAVITY百物語

この時期になると思い出す怖い話、もう一つしますね。

あれはちょうど今くらいの、ジメジメした、でもムシムシした、じっとりと汗をかく嫌な季節でした。
愛社精神つよつよの社畜戦士ゆかりんは、いつものように終電に駆け込んだのです。
あぁよかった、今日も終電に間に合った…とホッとしたのも束の間、なんだか電車の中が臭うのです。ツンと鼻をさすような、酸っぱいニオイ。

こんな季節の終電ともなれば、飲み会帰りの汗まみれのシャツのおじさんもいます。
そういう臭いなんだろうと思って、おじさん達から一歩距離を置くと、一層臭いが強くなったのです。

そんなバカな。私の周りには座席で眠るお姉さんと、壁や吊り革に寄りかかってうたた寝してるお兄さんしかいないはず…。
そう思ってあたりを見渡すと、なんと私の真横に、片手で松葉杖をつきながら鯖寿司を食べてるイケメンがいるのです。

鯖寿司。電車の中で鯖寿司。ちょっと時間が経ったやつなのか、若干生臭い感じもする、もちろん酢飯のニオイも漂う鯖寿司。
その鯖寿司の入った箱を、松葉杖をついた方の手に抱えながら、もう片方の手でパクパクと口に運ぶイケメンがいるのです。なんだこいつ。臭い。

鯖寿司の臭いに耐えきれず、一歩進むと、飲み会帰りの、汗まみれのシャツを着た、酸っぱい臭いのする集団。
ちょっと横にそれれば、どれだけ香水をぶっかけたのか、爆睡しながら香水と汗とアルコールの臭いを放つお姉さん。
うたた寝してるお兄さんはフラフラしてガンガン私にぶつかってくる無差別テロ野郎。論外。
鯖寿司、おっさん、香水、無差別テロ。逃げ場がないんです。終電だから電車を変えることすらできない。こちらも疲れているから車両を変える気力もない。
結局、終点まで、鯖寿司の横に立っていました。

そんな汗ばむ季節の怖い話。
皆さん、電車内で鯖寿司を貪る人間には、くれぐれもお気をつけください。
この季節の電車内鯖寿司はまじでヤバいです。