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金木犀
前回投稿したアパレルでの話。
この店では、毎週日曜日にセールがある。
つまり、朝から晩まで
地獄の様に忙しい日が、1週間に1度来る。
そんな“地獄の日曜日”を迎えた、とある日。
私は開店と(ほぼ)同時に、
“工業用ミシンで地獄の裾上げ100本”を爆速で行って居た。
大量の“デニムやスラックス”がレジに通され、
番号札が貼られ、そのままレジ奥にある工業用ミシンの横に並べられる。
そして私は番号札順に、“それら”を裁断し
数多ある糸の中から、既に施されてあるステッチと同色の物を探し出し、それを一心不乱に爆速で工業用ミシンで縫い上げる。
それが全て終わったのは、夕方近く。
私は漸くミシンの前から離れる事が出来た。
あしたのジョー並に、燃え尽きて居た私は
フラフラしながら休憩に入る為に、バックヤードへと向かって居た。
すると、
「ちょっと、ごめんなさい?店員さんっ」
と、声を掛けられた。
私は瞬時に笑顔に切り替え、
『いかがなされましたか?お客様!』と返事をした。
声の主は、ちょっと“ふくよかな体型のおばちゃん”だった。
お客様は不安そうな顔で「私でも着れるキャミソールはあるかしら?」と聞いてきた。
私はレディース担当では無かったので、
近くに居たレディース担当者を連れて来ようかと思ったが…
(いや待てよ?
このお客様は、そこらにたくさん居るスタッフの中から私に声を掛けてきたんだ。
これは私が何としても、お客様に似合うキャミソールを見つけてあげたい!是が非にも!)
…そう。私は、ミシンをやり過ぎてハイになって居たのである。
私は直ぐ様、お客様をキャミソールが置いてあるコーナーへと案内した。
そして、『これが似合いそうです!』
『こっちも合いそうです!』と、お客様にオススメした。
そして、2人で選び終えた後。
お客様から、
「あなたと選ぶの楽しかったわ!
実は、さっきまでミシンで裾上げ頑張ってるの見てたのよ。だから、あなたに話し掛けたの!
信頼出来ると思って!」
と、言って貰った。
そして、お会計を済ませて
お見送りをしてから、約30分後。
そのお客様は「あなたのファンになったから!」と言い、“おはぎ”を差し入れてくれた。
私。甘い物苦手だけど、食べたよ。
とても美味しかった。
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