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メガネ
そんな自分のあだ名は湘南ボーイ。
海のミルクと呼ばれる牡蠣。旬の頃になると食卓には牡蠣フライが決まって出て来るのだが、独特な風味が苦手で嫌々ながらに黙って食べていた。
そんなある日、母は牡蠣をフライではなく生で出してきた。
ただでさえ苦手であるのに、生で出てきた時には食べれる気が全くしなかったが、鼻をつまむように口に運ぶと、そのクリーミーな味と苦手だった風味も皆無でとても美味しく食べられた。それ以来牡蠣フライも美味しく頂けるようになる。
そんな幼少期から随分と時間が経ち、大人の男性になった湘南ボーイ。御多分に漏れず絶対に決めたいデートに直面し、銀座の地に降り立つのだった。
女性と二人並んで街を散策し、いつ決めるかとドキドキとしながらの宵の口、銀座のオイスターバーに行く事になる。
煌びやかで洒落た店内、内心冷や汗をかきながら涼しい顔を繕い女性をエスコート。
店内のショーケースには各産地が明記された牡蠣が宝石のように飾られており、一つ六百円を下回らないその値段に人知れず絶句するのでありました。
雰囲気の良い店内、二人きりの空間、決める時はその時のはずだったが、すでに湘南ボーイの心の内は環境に圧倒され、口説くどころか戦々恐々といった状態。
いざ注文といった時、どの牡蠣が良いかなど解るはずもなく、お薦めと言われた産地の牡蠣を注文する。
これでもかと言わんばかりに綺麗に盛り付けられた一粒の牡蠣。牡蠣の芳醇な旨味を喉に通せばやる気もいくらか持ち直すだろうとパクリ。
牡蠣を口に含んだ瞬間、遠く懐かしい記憶が脳から溢れ出す。
湘南で感じた潮風、岩を削り取るかの如く打ち付ける波、慣れ親しんだ湘南の海、溺れかけた時に否応なしに口の中に入り込んでくる塩辛い海の味が口の中いっぱいに広がるのでありました。
牡蠣を好きにさせてくれた母と食べた生牡蠣の味は微塵も感じる事なく、ランクを徐々に上げ注文したいくつかの牡蠣は、どれも一様に海で溺れた時の味でした。
決めると意気込み気合を入れた心と財布の中身。
オイスターバーで儚く散り行きカスほどしか残せなかった結果、湘南ボーイはただ黙って女性の後ろ姿を見送る事しか出来ませんでした。
そんな苦い記憶を牡蠣フェアのCMを目にして思い出す。
もうすぐ牡蠣の季節ですね。
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メガネ 投稿者
食べ比べをしても、どこの海で溺れているかの違いの検証にしかならず、食べれば食べるほどに海へと沈む感覚。 恐ろしいまでの値段設定は銀座という立地の場所代が大きなウェイトをとっているとい思われます。美味しさ二の次だったんだろうなと、今思えば。 そういえば、気疲れと溺れたショックで聞きそびれましたが、その女性の感想はどうだったんだろう。 もう銀座でご飯は食べないと誓った夜でした。
りぜ
ディスるような事を書きたくないのですが、そのオイスターバーの値打ち?とは?これいかに🤔 彼女さんも同じ感想だったのでしょうか。それならそのバーの罪は重いですねっ!
レモン
本編とは関係ない感想で申し訳ないですが…牡蠣大好きなのに、ある日突然当たってから食べられなくなったので、生牡蠣食べたくなりました🦪