仕事を終えて外に出ると、息が白く夜の空気に溶けた。街灯に照らされたアスファルトが、昼間より硬く冷たく見える。ポケットに手を突っ込んでも指先は温まらない。どこかの家の鍋の匂いが風に乗って流れてきて、胸の奥が少し緩む。寒さの中で、人の暮らしの温もりだけがやけに近く感じられた。