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羯帝王

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九竜

私は竜神種として生まれ、竜界では超が付く大変な問題児でした。万物の生命並びに竜神種ですらも畏れ慄いて絶対近寄ろうとはしなかった破壊の神シヴァ神、究極の鬼がありました。私は単身その鬼の巣に乗り込んで、鬼は沢山いるんですよ。皆シヴァ神の眷属達(子供達)です。鬼達が見守る中、私は堂々と鬼達皆が見通すことが出来る中央を歩いて渡ります。鬼達は命知らずのどこぞの馬鹿が来よったわ程度にしか思っていませんでした。しかし、鬼の参謀のヤゴオニがこういうのです。あれは、人界の伝承に聞く伝説上の生物だと、いるのか居ないのかも分からない幻の生命体。絶対私を威嚇して脅したりしてはいけない、その生態をじっくり観察して知りたい。その好奇心から、簡単に私は鬼の巣の中枢に潜り込めることを当初から知っていたのです。そのまま、鬼の頂点、シヴァ神に近づいて、前代未聞の行動を敢えて取った訳です。破壊神の背中にどっこらせとよじ登り、そのまま大胡座(おおあぐら)をかいて寝そべって、盛大にいびきをかいて居眠りをしました。鬼達は皆、大変親父様(シヴァ神)を畏怖して畏れていました。この世で親父ほど怖い者は無かったのですから、私の行動に鬼達は皆びっくり仰天してしまうのです。そして、私がシヴァ神の背中の上で居眠りをした時、もう既に私の術中にシヴァ神とその眷属達は皆落ちていました。腹を抱えて笑ったんですよ。我々(破壊神とその眷属)が恐ろしく無いのか?こいつは何て豪胆なんだ、大胆不敵な奴だと大変気に入られたのです。真似はしないでくださいね。竜神種であることが私の武器であり勝算でした。結果を踏まえた上で起こした行動です。しかし、こうした私の行いにはふか〜い事情があるのですが、その事情を老竜(父親)や他の竜神種達、そして竜神種の頂点である九竜に説明して理解を得た上でやろうとすれば、全て敵(万物の根源・虚無)には筒抜けです。天を欺きつつそれを成す為にはどうすれば良いか?

それは私が愚か者と成ることなんですよ。竜界にも人界と同様に仕来たりや約束事、絶対にしてはいけないこと、禁忌、常識や法律があります。しかし、そのルールを破る者は私が現れる迄は竜界では一人も居ませんでした。ルールはありますが、竜の中では破った者が誰一人としていません。だから罰則や刑罰というものは、まだ竜界にはありませんでした。竜界で、唯一掟を破り、ルールを無視し、約束事や禁忌を破り、常識破りの型破り、全てを覆す破天荒。竜界切っての悪童。竜界切っての超が付く問題児。私の名は竜界では大変な悪名で通っているんですよ。また、黒竜が何かやらかしたのか?今度は何をやらかしたんだ?私の名前を聞けば、必ず次は何をやらかしたんだと印象を刷り込んで来ました。そう、わざとやって来たんですよ。天を欺く為に態と破天荒を、そして問題児を装いました。竜界の頂きである九竜が、こいつだけは絶対野放しにしていたら大変なことに成る。竜界全体が危いと、私にどんな罰を与えることが妥当か真剣に話し合いがなされました。竜界に極刑(死刑)はありません。結果、私の破天荒な性格の矯正をすると、竜界の頂き、九竜に捕まり敢えなく九竜の里(監獄・失意の無限牢獄)での終身刑です。私が背負わされた罰は九竜と同じ竜界の頂きと成り、竜界を背負わされることでした。竜神種の誰もが成りたくは無い一番大変な責任ばかり重い役職です。九竜と同じ竜界の全責任者です。私は先代九竜から常に雁字搦めです。叱られたことは沢山ありますが、九竜と成ってから褒められたことはたったの一度もありません。叱られてばかりです。子供達が私が先代から叱られているところを見ると、お父さんを責めないでお爺ちゃんと私の味方をしてくれるんですよ。皆良い子達ばかりです。子供達が私の宝物です。
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