と云いながら、一枚の紙切れを渡わたしました。ジョバンニはその人の卓子の足もとから一つの小さな平たい函はこをとりだして向うの電燈のたくさんついた、たてかけてある壁かべの隅の所へしゃがみ込こむと小さなピンセットでまるで粟粒あわつぶぐらいの活字を次から次と拾いはじめました。
「こんな平凡な言葉がマジックワードなの?」と拍子抜けされた方も多いかと思います。 この3つの言葉をはじめ、これから紹介する10の魔法のことばは、どれも短くて、シンプルで、よく耳にする「どうということのない言葉」です。