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九竜

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黒竜に擬態していた羯帝王(ぎゃあていおう)の分身体は、ナメクジ人のイルクの民の集落へと旅行中の黒竜へと成り代わって黒竜の実家へと来ていた。家の門前へと着くなり、中から大変威厳のある竜が出て来た。竜神種は成竜と成って以降年老いて死ぬことが無い為、見た目では実年齢は計り知れないものがある。黒竜も孵化されること無く卵でいた時間をいれたら何千年と聞く、家から出て来た竜神種が黒竜が言っていた神竜とは別にもう一人いるもう片方の片親である老竜に間違いない。ただいま老竜と声を掛けるべきか掛けまいべきか羯帝王が擬態した黒竜が悩んでいたところ、老竜の雷は落ちた。いったいお前は今迄家の用事を放ったらかして何処をほっつき歩いて居た!お前がいなかった間、お前の仕事をお前が帰って来た時に私から叱られない様にと、蜂達やゲームゲー(ムカデ)達がお前の代わりに肩代わりしてやっていたのだぞ!まったくお前と来たら目を離したら油断も隙もあったものじゃない!まだ済んでいない頼んでいた用事が沢山残っている。すぐに取り掛かりなさい。まずは川に行って水汲みだ。その後は家の掃除。・・・お前一人か?お供の働き蜂と神竜はどうした?

色々潜入捜査をして来た羯帝王。今回の黒竜に化けての潜入捜査は難易度が高過ぎた。どう対応したものかと悩んでいる暇はなさそうだ。ここは一か八か、走って逃げてみることに賭けた。

そう来たか!甘いその手には乗らないぞ!私から逃げ切れると思うてか!このたわけ者が!蜂達よ第一陣じゃ決して黒竜を逃すで無い。ゲームゲー達よ黒竜の行く先に回り込んで通り抜けられないよう第二陣を組んで防波堤を築け!

蜂やムカデは老竜の兵隊か、化けているのを見破られることが一番不味い、ここで一目散に逃げ出した判断は正解だったか、黒竜め、さては老竜の目を盗んでこっそりと羯帝の住処へと来て居たのか。次の判断は真剣に逃げ切ることを考えることが正しい判断か。

ズボッ!

羯帝王は逃走経路に仕組まれていたゲームゲーが拵えていた落とし穴に捕まってしまう。身動きが取れない。もがけばもがくほど囚われてしまう蟻地獄タイプの落とし穴だ。蜂達が飛んで来て、ぴたっ、ぴたっと黒竜に捕まった。

老竜が言う。

お前の行動パターン、逃走経路は全て予測済みである。逃げ切れると思うてか?こんなこともあろうかと罠を仕掛けて置いたことが功を制した。はっはっはっはっ潔くお縄につけ黒竜や。

まさかここまでとは予想だにしてなかった。
まさか私は黒竜の身代わりに老竜対策の当て馬にされたのか?

遠く離れたナメクジ人の里にいる黒竜はこのことを知ってか、知らずか、御名答だよ。スメルク(別口でナメクジ人に擬態している羯帝王)にそう伝える。

???とスメルク。
分身体が体験した経験を回収するには手順がある。まだその手順を踏んでいない今のスメルクには昼食中、いきなり黒竜から言われた言葉の意味がさっぱり分からない。黒竜は深い意味は無いから気にしないで、きっと後で分かるよ。意味深な言葉をスメルクに投げ掛けた。

???黒竜、まったく意味が分からないのだが、

羯帝王が黒竜に化けた分身体は世に言われるドッペルゲンガー現象である。同じ存在が同時に別の場所に姿を現す現象を指す言葉だ。羯帝の潜入調査は歴史上敵対する種を対象として狙い定めてやって来たことである。今回の意図はそう言った敵情視察のスパイ活動では無く、竜神種の生態、特に黒竜の素性の調査が狙いである。

黒竜となり育ての親である老竜からこっ酷く説教を受け続けていた。普通に家の中を歩いていて蟻を踏みそうになると待ちなさいと静止させられる。小さき者程、細心の注意を払って護らなければならない。お前はそんなことまで忘れてしまったのか。万物の生命には全て役割がある。小さき者程竜は見逃してはならないのだ。蟻を家の中で見つけたなら、ここは通り道にするには踏みつけられる恐れがある。危ないから通らないようにと蟻に竜が語り掛ければ心は伝わるのだ。竜は慈悲、万有の生命を守り、慈しみ愛して育くみ守る為にこそある。片時も忘れてはならない。分かったな・・・黒竜よ。

少し名前を呼ばれる前の間が気になる。もしや正体がバレているのではないのか?従者の蜂や神竜が何処に居るのか追求されないことも疑問だ。分からない。
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