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金木犀
※今回は個人的なトラウマ話となります。
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小学3年生の頃。
自宅の固定電話に、
《スズキサン ノ オタクデスカ?》
(※名前は仮名)
と、カタコトで話してくる間違い電話が
頻繁に掛かって来ていた。
我が家の固定電話は当時、
ナンバーディスプレイ(発信者の番号が表示されるもの)では無かった為、
電話が鳴る度、律儀に取らざるを得ない状況だった。
なので、間違い電話が掛かってくる度に
『違います』と言い続け
《スミマセンデシタ》と言って
ガチャ切りされるので
当時、小学生の私にとって“電話がトラウマ”になった。
まだ携帯を持たされても居なかったので、
母や兄が用事があって電話を掛けても
私が“電話に出ない”という事態に陥ってしまったので、
母から、
「家族が家に電話をする時は
“2回コールした後、1度切ってから、もう一度掛け直す”から、そうしたら電話に出るように」
という提案をされ、それ以降
“2回コールしてから掛け直す”という事がルール化された。
暫くは、それで“間違い電話”からのストレスからも解放されていたのだが
ある日、学校から家に帰り着くと同時に
電話が“2回”鳴り、その後すぐに掛かって来た。
私は(お母さんか、兄ちゃんからだ)と思い
急いで靴を脱いで、固定電話まで走り
受話器を取って『もしもし』と言うと
《スズキサン ノ オタクデスカ?》
と、言われた。
私はパニックで、
気付けば『なんで!?なんで!?なんで!?』と繰り返し、受話器を持ったまま泣き叫んでいた。
それでも尚、電話の“向こうの人”は
《スズキサン ノ オタクデスカ?》
と、繰り返し聴いてくるので
私は、『違います!!もうやめてください!違います!!!』と繰り返した。
そんなやり取りをしていたら、
たまたま、兄がバイトを終え家に帰ってきたらしく、
私の異様な叫び声に驚いて、
恐怖で握り締めたままの受話器を私から奪い取り、
〖おいこらぁ!!間違えてるって言ってんだろうがぁぁ!!しつこく掛けてくんじゃねぇ!!誰だお前!!〗
と、怒号を上げていた。
すると、相手は驚いたのか
ガチャリと電話を切ったようだった。
私は兄が帰ってきた事に安心し、
兄にしがみついて大声で泣いた。
それ以降、我が家の電話は
ナンバーディスプレイ仕様になった。
しかし、私が“固定電話に対する恐怖心”が拭いきれなかった為、
直ぐに“携帯”を持たせてもらう事になった。
ただ、昔程では無いけれど
今もまだ、“着信音”が少し怖い。
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