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サブカワ

サブカワ

三題噺
犬、宇宙人、教会、テレビ

「宇宙人に会った」
小学生の頃、隣に住んでいた幼馴染の少年がある日を境に私に言ってくるようになった。その少年とは、遊ぶ時もどこに行くにしたってずっと一緒に過ごすほど仲が良かったのだ。その子のことは信頼していたし、犬のぬいぐるみもプレゼントしてもらったことさえある。でも、「宇宙人に会った」その話だけはいつまで経っても信じることが出来ず、よく揉めるようになった。しばらくして、その少年は親の転勤で引っ越すことになった。私は、その少年と揉めたまま疎遠になってしまったのだ。
月日が流れ、私は高校生になった。下校後、いつもの散歩に行き、いつもの道を通っていた時、いつ建ったのかわからない謎の教会が建っていた。あまりにもボロボロであたかも昔からあったかのように感じさせるが、私は今までで一度も見たことがなかったのだ。そんな疑問も持ったが、教会を通り過ぎ、家に着いた。すると玄関に一通の手紙が入っていた。
私宛だ。
宇宙人と会ったと言っていたあの日の少年からだ。
その手紙には、「1週間後の今日、18時より教会にて宇宙との交信をするからきてほしい」とのことだった。
その手紙をよく読むと、テレビや記者なども来るという。
あまりに大掛かりであまりに胡散臭いなとは思ったのだが、喧嘩別れして後悔してしまった私がいる。
あの日の後悔を晴らすためにも私は行かざるを得なかった。
そして1週間がたった。
私はいつも通り下校後、犬の散歩をして、家に着いたあと身支度を整え、教会があった場所へと向かった。
教会へ辿り着き、恐る恐る扉を開けると、そこには人の気配がなかった。
忍足で奥へ進んでいくとそこには人影があった。
あの時の少年だった。
少年は私に対してこう言った。
「おめでとう、宇宙人に会えたね」
「どういうこと…?」
私は頭の整理がつかないままでいた。
「君は宇宙人に会えたんだよ、僕はずっとそばで君を見てたんだ。君が生まれてから今まで」
私は両親と不仲だった。家族はみんな私のことを見てくれない。与えられるのは暴言や暴力ばかり。だけど、あの少年と出会ってから私は家族から暴力や暴言を受けたことはなかった。
守られていたのだ。
「私を守ってくれていたのはいつもあなただったのね」

あの日私は宇宙人にあった。
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コメント

烏

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とても好きだ。

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サブカワ
サブカワ
ありがとうございます!! 凄く嬉しいです!!!!
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