ブランディングの力：ポジティブイメージの構築戦略

アニメの業界の心配な話③

政府は、これまでクールジャパンを標榜して多額の税金を投入して来ました。私はそれらの政策が全て無駄であったと言うつもりはありませんが、一方で、素晴らしい成果を上げたという記事も目にしたことはありません。しかしそれにも拘わらず、日本を訪れる外国の方の殆どが訪日の動機としてアニメが好きだからと言ってます。また、海外在住の人たちも、アニメを愛し、日本を愛し、言語や文化を学びたいという人が増え続け、日本政府が思い描いたクールジャパンは拡がり続けています。これは、貧しくとも底辺で、夢を追いかけ続ける人たちが業界を支え続けているからこその事だと思います。アニメ業界に政府を動かす力はありませんが、今回の税制改正は、アニメ業界だけではなく、他の業界の零細業者にとっても、同様の負担をもたらすはずです。ならば今後そういう苦難に直面する人たちから悲鳴が沢山上がると思うので、政府には、是非そういう声に耳を傾けて頂けたらなと思います。

あと、業界関連でこれも言っておきます。日本のアニメ業界の現場がこんな状況であるのは、やはりなんと言っても、手塚治虫先生が残された悪しき伝統を受け継いでいるのと、今だと諸悪の根源だと私が思っている製作委員会による影響が大きいと思います。しかし、そんな業界にも、少しずつ変化の波はやって来ていると思います。特に、NetFlix をはじめとする巨大配信業者の影響は大きく、業界に流れ込む製作資金も以前と比べると格段に大きくなって来ました。そのため、アニメーターを正社員として雇っているスタジオも増えてきました。或いは、MAPPA のように、原作の権利を全権所有するリスクを取るスタジオも現れています。また、特に中国ですが、アニメ制作にかなり力を入れているため、日本で優秀なアニメーターをかなり高額の待遇で青田買いもしているようです。そんなこんなで、現在アニメーターは慢性不足の状況が続いています。需要が供給を上回れば、供給サイドの賃金が上がるのは自然な流れだと思うので、今後そういう動きが続いて、現場の人たちの収入が上がることも期待しておきたいと思います。

ブランディングにより、企業や商品に対するポジティブなイメージが形成され、消費者に好感を持たれるようになります。