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節分を過ぎて卯年が本格的に始まりました。
兎と言えばこのお話。
因幡の白兎のお話を。

昔々、隠岐の島に一匹の白兎が住んでいました。白兎は、因幡の国に住むというたいそう美人な姫の噂を聴き、会ってみたいと思っていました。でも島からは泳いで渡るにはとても自力ではたどり着けない距離でした。そこで白兎は名案を思いつきます。

海にいるワニ(※サメのこと)を騙してしまおう。

白兎は知恵を絞ってワニを海に整列させ、その上をぴょんぴょんと飛び乗って海を渡ることに成功します。そして因幡の国にたどり着く直前にワニを騙していたことをうっかり話してしまうのです。すると怒ったワニ達は白兎の皮を剥いでしまうのです。

砂浜で痛みに震えていると、遠くからたくさんの神様達が歩いてきます。そして神様達は白兎を見つけると、塩水に浸かって乾かせばいいと言います。

信じた白兎は、その通りにすると痛みが更に増して苦しみます。
それを見た神様達は笑ってその場を離れて行きました。

遅れて最後に一人の神様、オオクニヌシノミコトがやってきます。他の神様の荷物を抱え、すごく重そうに歩いてきます。

苦しんでいる白兎をみて
真水に浸かり、蒲の穂をつけなさいと言います。白兎はその通りにすると、みるみる傷が治り、美しい白い毛が生えてきたのです。

白兎はなぜ神様達がここにいるのかと聴くと
因幡の国にヤカミヒメという美しい姫がいる。お嫁にもらうために行くのだと告げます。

すると、白兎はあなたこそ、ヤカミヒメにふさわしい神様です。あのような意地悪な神様達にはヤカミヒメをお嫁に貰うことは出来ません。

そう言って、一目散に走りだしヤカミヒメの元に事の顛末を伝えに行くのです。

それを知らず、因幡の国に辿り着いた大勢の神様達は、ヤカミヒメに結婚を迫りますが
ヤカミヒメは全て追い返してしまいます。
そして、最後に到着したオオクニヌシノミコトと結ばれる事となりました。

白兎は、会いたかった美しい姫、ヤカミヒメに会うことができ、そしてその姫にふさわしい神様を導いたということで、縁結びの神様として鳥取県の「白兎神社」に祀られています。

その後、オオクニヌシノミコトとヤカミヒメはどうなったかというと出雲国で、大きな社を構えてそこに住むことになります。それが、今の出雲大社の始まりと伝えられているのです。

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