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りぴー

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空想旅行vol.10【ナウル=ヴェルグ列環王国】

深海青の地に黄金の羅針盤が逆さまに輝き、その中心に黒い双月が沈む国旗を掲げるナウル=ヴェルグ列環王国。ここは、約370万の魂が息づく、神秘と活気に満ちた国である。
この国の根幹を成すのは、深海と天空という二つの世界だ。国土の多くは深海の底に広がり、藍色の肌を持つ水棲種たる深海人たちが独自の文明を築いている。一方で、空には「トゥーファの逆潮」と呼ばれる壮大な自然現象が存在する。これは天空を巡る浮き潮が数年に一度逆流し、大気に海の生命をまき散らすという、この国ならではの光景である。天と海の境界が曖昧になる瞬間は、畏敬の念を抱かせる。
都市に足を踏み入れれば、藍と銀に彩られた螺旋状の塔が天を目指して伸びる姿が目に飛び込む。これらの建築物は、深海で意志を持って成長するという「夢貝石」や、風の音を蓄え共鳴する「音波珊瑚」といった稀有な素材で築かれている。街を歩けば、珊瑚が奏でる微かな旋律や、貝殻状の背甲を持つスピンシェル族が知的な会話を交わす声、そして言語を旋律で話す夜光羽の渡鴉人が空を舞いながら交わす美しい歌声が聞こえ、多様な種族が織りなす生命の交響曲に包まれるだろう。深海人たちは、落ち着いた物腰の中に深い知性を湛え、この国の安定を支えている。
彼らの生活を彩るのが、独特の文化と名産物だ。夜光羽の渡鴉人が密林で集める「沈黙蜜」は、周囲の音を吸収するという不思議な性質を持ち、口にすれば一時的に五感が研ぎ澄まされる。また、深海の気泡を封じ込めた「虚泡の酒」は、飲む者に過去の記憶を泡のように幻視させるという。これらは単なる嗜好品ではなく、彼らの精神性や世界観を反映した産物と言えるだろう。
しかし、この神秘的な王国にも近年、不穏な影が差し始めている。国を囲む七つの「潮門」――古の災厄「無き音の王」を封じているとされる古の封印装置――が、同時に軋む音を発するようになったのだ。空の揺らぎと共に海の底から響く原因不明の音と相まって、民の間では「不在の神の帰還」ではないかとの囁きが広がっている。古の伝説が現実味を帯びる中、深海人、スピンシェル族、渡鴉人たちは、それぞれの知恵と力を結集し、この未知なる局面に向き合おうとしている。彼らの表情には、不安と共に、未来への強い意志が窺える。
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