──月が落ちてくる。それを海の下で慌てて腕に収める。……このところ寝不足気味だったから仕方ないが、まさか海に入る前に寝落ちするとは……。いきなり落ちて地上の者が騒いでいないだろうか。やれ滅びの前兆だとか言われなければいいが。「まあ、とりあえず今は休ませとくか。」おやすみお月様。
社会で生きていくということは人を喜ばせるということだ。と気付いた時、僕はどのような場所でも生きていける気がした。能力はないけど、誰かを喜ばそうと真剣に考えたら、何かしら案は出てくるから。喜んでくれる人がいれば僕の存在は認められると思ったから。