名前わかんないのですが、胡桃の甘いやつが好きです！

【アパレル○○撃退事件④-2 終】

私の中で、車椅子のお客様と呼んでいた男性は
高○生が入って行った通路に行った時点で

“車椅子の男”に変換されて居た。

迷惑行為を平気でする奴は、
お客様では無い。

勇気を出して協力してくれた高○生のお客様に
もし、指1本でも触れたら…私は、
確実に顔面に蹴りを入れるつもりで居た。

高○生のお客様には、事情説明をした時に
監視カメラの位置も伝えて居たので

私が、車椅子の男を追って
2人の居る場所を覗いた時には
しっかりと男の犯行の様子が映る場所で
洋服を見るフリをしてくれて居た。

すると、車椅子の男が
解けてもいない靴紐を結み直す為に、
前屈みになった。

そして、斜めに顔を上げると丁度、
高○生の太腿が見える位置になるだろう。

私は、(今しかない)と思い

足音を立てずに、車椅子の横まで歩いた。

既にその時には、
右と左の通路の出口にBとCの姿があり、
付近には、3人組が待機して居た。

そして、私は車椅子の男がスカートの方に向かって、顔を上げ掛けた瞬間に

K:
『お客様？よろしければ、何かお手伝い致しましょうか？』

と、声を掛けた。

スカートの方に顔を向けて居た男は、
ピタリと止まり、

私の方へと向き直って、ゆっくりと見上げた。

高○生は直ぐに、その場を離れ
スタッフに保護された。

私は、笑顔で

車椅子のブレーキレバーを引いて、
青冷めた変態野郎を確保した。

というのが、逮捕劇の一部始終。

後に、警察から報告があり

どうやら、車椅子男は
“痴漢の常習犯”だったらしい。

車椅子ユーザーという立場を利用して、
女性に対して、極めて悪質な犯罪を行って来た様だ。

警察官の方に、
「御協力ありがとうございます」と言われたと同時に、
「でも、危険な行為はしないで下さい」と注意を受けた。

私は深く反省をした。

店長は、と言うと
日頃の怠惰が会社にバレて、
本社勤務になり、店を去った。

その後。
新しく来た店長は、とても優秀で良かった。

そして、協力してくれた高○生が
バイトの面接に来て、即採用された。

それから私達の給料も少し上がった。

そんな、
【アパレル痴漢撃退事件】の話。

終