彼が生きてたらという悲しみの中で迎える誕生日

「彼が生きてたら」
毎回考えて泣いてしまう
そしてまたここに来てしまう

8月20日の彼の誕生日
毎回来てしまう場所にかなり早く来てしまった
未だに思い出に出来なくて
早朝に来てしまった

新幹線に乗って
もうあの当時とは違う店の並びを噛み締める
毎年号泣してしまうから早朝になってしまう
「今回は俺の方が早かっただろ」
ってドヤ顔して駅のホームにいる彼を思い出す。

「お前が好きそうな店リサーチした」
先輩から聞いたんだと言って笑う彼を思い出す。

仕事で拘束される時間がすごく長くて大変だったのに毎回こちらを楽しませようとしてくれる
あなたも知らない土地で大変だったし、
お互い忙しくてなんとか時間作って頑張ってた

距離が遠くなって逢えなくてお互い言葉が足りなくて会っても不機嫌な時も多くあった。

それでも一緒にいて変な映画みたりして笑ってた

だからあれが最後になるなんて思ってなくて
立ち上がれなかった。

泣き崩れる私を
みんなも呆然と見るしか出来なかった

誰も声を出せなかった
私の声しか聞こえなかった

伝えたいことがあった
毎回何度も触れ合って愛おしそうにしてくれる幸せがあった

「俺の名前を呼ぶお前の声好きなんだよ」

付き合った当初、すり寄って胸に顔を埋めてそう言われて嬉しかった

だから声に出せずに泣き崩れてしまった最後を死ぬほど後悔してる

最後、文字で終わってしまった事を後悔してる

せめて声を聞かせて欲しかった、
私も君の名前を呼びたかった

泣き崩れて嗚咽しか出なかった自分を死ぬほど憎んでしまう

だから毎年泣きながらこの地に来てしまう
「やっぱり君を忘れられんよ。」

そろそろ泣き止まなきゃいけない
７時間くらい泣いてるな、

17歳の私、未だに恋をしてるぞ
21歳の私、泣き崩れてて大丈夫だよ、
25歳の私、彼の指輪が割れて落とした事を泣いても良いが悔やまないで。
現在の私よ、忘れなくて良い。

いまだに忘れられないのは仕方がない事なんだよ

#180.5㎝の推し