命の選択と罪悪感 – 中絶経験の真実

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シマリス

2024/07/24

9週1日。
娘の前に私のお腹に来てくれた赤ちゃんの生きた時間。
家族は娘が生まれ変わってきてくれたと思ってるけど、私は違う気がする。

中絶が決まった時、何が起きているか分からなかった。涙も出なくて、でもただ苦しくて。

週数を知るために病院にかかった時、まだ小さいのに心臓が動いていた。

手術が決まって、相手に同意書の名前を求めた時書いといてと突き放され、行き場のない怒りが襲ってきた。結局書いては貰えたけど、悲しんでるのは私だけだった。

手術の日。相手は休んでくれなくて着いてきてくれたのは友人2人。
外は寒くて雪が降っていた。バルーンを入れて、ベットに横になっていたら聞こえてくる産声。当時の私にはそれが攻めてるように聞こえて涙が止まらなくなった。時間時間で入れられる点滴。1本、2本と入れられる度胸が張り裂けそうだった。

手術の時間が来て、手術台に自分で上がる。
麻酔入れますね、そう言われたとき気づいたら止めていた。「待ってほしいです。ちゃんと、ちゃんとお別れしたいです。」そういうと、看護師さんが手を握ってくれた。大丈夫。大丈夫だよっていいながら。先生が来て、大丈夫？もう麻酔入れるよって。
1、2、3、そう数えていく。
次目が覚めた時、虚無感に襲われた。

私は会計を済ませて、友人が迎えに来てくれるまでの間記憶が無い。
友人が迎えに来てくれて、話しかけられた。
「行こう。」

家に着いて、友人二人が一緒に部屋にいてくれた。友人が帰って眠りについて、次の日の朝。
普通にご飯を作って、テレビを見ながらいただきますをする。無心に食べてごちそうさました途端、涙が出た。(あー。つわりで何も食べられなかったのに体重だって減ったのに。そっか。もう居ないんだ。いないからご飯が美味しい。
)そう思ったら大声を上げて泣いていた。
ごめん。ごめんね。ほんとにごめんね。こんなママでごめんって謝りながら。
ほんとに忘れられない。1月18日。
前にお世話になったお坊さんに会った時、言われた。
ずっと、あなたの足元にいたんだよ。
あなたにそっくりな男の子。その子がお腹の子だったのかもしれないね。今もいるよずっと。
でも安心して。ちゃんと笑ってるから。って。
たまに、娘が寝てるのに笑い声が聞こえる時がある。ママー！って聞こえる時がある。
お花を飾ると、ケタケタって聞こえる。