子育て中の葛藤：家族との時間vs自分の自由

先日、職場で労働組合から所属長に対して申し入れが行われていた。
事前に組合員に対してはっきりと予告されていたわけではなかったが、申し入れの場所がたまたま私の席に近かったため、やり取りの声が聞こえてきた。

どうやら、サービス残業が職場で行われているため、その是正を求めるべく行われた申し入れのようだった。

その事自体はいい。

ただ、そのやり取りの中で、具体の事例として、誰それがサービス残業を強いられているとして名前が出され、そこで挙がったのが、私のチームのメンバー達だった。

本当は片づけねばならない仕事が山積しているのに、時間外勤務を申し出ても、私から差し戻されると。
そのため、それでも仕事をやらねばならぬためサービス残業をしているのだと。

ショックだった。

私は、己の権力で、立場の弱い人をねじ伏せることは絶対にしてはならないと自戒していたつもりだし、自分自身、過去、サービス残業を強いられ、そのような思いを若い人達にさせてはならないとも思っていた。
捌かねばならない仕事を訴える若い人達の仕事を引き取って、未だに捌いてもいる。

その俺が、サービス残業を強いられている、その元凶として、名前を挙げられている。若いメンバーからの訴えとして。

力が抜けた。

上司からは、常日頃、チームのメンバーの勤務状況の適正管理を言われている。
誰かの残業が増えれば、ジョブの割り振りが悪いのではないか、きちんと管理しろと言われ。
それでもやらねばならないと言えば、先送りするわけにはならないのか、今どうしてもやらねばならぬ理由を説明しろと言われ。
更には、メンバーの仕事をリーダーがやってはならないということはないのだから、お前が引き取ってチーム全体でうまく処理しろとも言われる。

そんなふうに上からぎりぎりと締め上げられた結果、私自身がメンバーの仕事を引き取って片付けてもいる。

しかし、こうやって、労使交渉が行われれば、悪事の元凶として私の名が挙がる。

無能として謗られるならば、幾らでも甘受する。
今までもそうしてきた。
けれども、卑怯者呼ばわりされることだけは我慢ならなかった。

情けないよ。こんなふうになるなんて。
プチ権力者として糾弾されるなんて。

かくして、私は、もうじき職場を去る。
こんな無能なリーダーなど要らんだろう。
優秀な若い者がリーダーになればいい。

帰宅して、娘の風呂入れて皿洗って片付けして寝かしつけなう