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吉田賢太郎

吉田賢太郎

『世界大戦のストリート』
​教科書は、勝ったやつを「正義(官軍)」と呼び、
負けたやつを「悪(賊軍)」と書く。
でもそれは、生き残ったやつが勝手に書き換えた物語だ。
​学校の廊下も、スマホの画面も、
実は、誰もが銃を隠し持った「世界大戦」の最前線。
「お前は間違っている」という言葉の弾丸。
「私は正しい」というマウンティングの砲撃。
みんな、殺されないために必死で誰かを撃っている。
​もし君が、何かが怖くて動けなくなったり、
何かにしがみつかないと生きていられなくなったりしても、
自分を「ダメな奴」だなんて思わなくていい。
​それは「弱さ」じゃない。
その恐怖症は、君の心がこれ以上傷つかないための防空壕。
その依存症は、降り注ぐ痛みを麻痺させるための鎮痛剤。
全部、君が今日を生き残るために必死で作った「心の防具」なんだ。
​だから、覚えておいてほしい。
どんなに激しい殺し合いの中でも、
「賢いふりをして人を見下さない」
「弱いふりをして人を操らない」
そんなふうに、誰かを踏みつけないまま生き抜こうとする君は、
この泥だらけの戦場で、一番気高く戦っている戦士なんだ。
​勝って歴史を書き換える「官軍」になるより、
痛みを抱えたまま、自分を殺さずに生き抜く「人間」であれ。
​この世界大戦のような日常で、君が今日「生き延びた」こと。
それだけで、もう十分すぎるほどの大勝利なんだよ。
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