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ねぎ

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今年一年、平穏無事に過ごせるよう、氏神様に初詣に行きました。

お神籤は小吉でしたが、
色情(いろごと)に気をつけなさいとは…

気をつけます。

#初詣
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戦士。

戦士。

高校一年の春、1年4組。数字って変だ。1年4組。4って、彼女に結びついた数字として残ってるのか、単に教室の札として残ってるのか。教室の匂い。窓の反射。朝のホームルームのざわざわ。猪俣が入ってくる。猪俣、って本名だって言い張る、あの感じ。わざとらしいほど本名っぽい。猪俣。猪に俣。猪ってなんだ、俣ってなんだ。名前の部首だけでキャラが立つのもおかしい。熱血英語教師で、時代にそぐわない、って言うとそれで片付くようで片付かない。男子が集まると恋バナを始める。恋バナを、教師が。しかも生徒の顔を見てるわけだ。どんな目で見てるんだ、って思うんだけど、その「どんな目」という問いが、今の自分に返ってくる。じゃあ自分はどんな目で彼女を見てたんだ。aikoに似てるから、って言ったあの日。似てるから、って便利だ。似てる、で済ませる。似てる、って言うと自分の好意の説明を外注できる。本人じゃなくて影を好きになってるみたいで、安心する。安心したい。付和雷同ってそういう安心のことか。

彼女は寝てた。とにかく寝てた。男子よりも女子よりもずっと寝てる、って書き方がもうおかしい。寝る量の比較ってなに。だけど確かに、寝てる時間の印象が強い。机に伏せて、髪が腕に落ちて、呼吸が規則的で、授業が進んでるのに進んでないみたいで。寝てる彼女は、周りのノイズの外側にいて、だから信念があるように見えたのかもしれない。信念があるから寝てるのか、寝てるから信念があるように見えるのか。どっちでもいいのに、どっちかにしたがる。結局、自分が「軸」って言葉にすがってる。軸。彼女の軸。自分の軸のなさ。軸のなさを、行雲流水って言い換えると、ちょっと美しくなる。美しくなるのが気に食わないのに、また言い換える。幸運流水。幸運が流れるって、なんだそれ。拾いに行けないのに流れてくる幸運、みたいな。待つだけ。待つだけの言い訳。

ミクシー。mixi。あの青とオレンジの、ログインした瞬間の、距離感の近さ。足あと。コミュニティ。日記。日記って、今こうやって書いてるやつと似てるのに、あれは「読まれる」前提で、読まれる前提で書くと、書いてないことが増える。彼女が他校の男子と釣りしてる写真。釣りって、魚を釣る釣りじゃなくて、海の堤防の、あの光。写真に写る笑顔。笑顔に嫉妬するって、嫉妬の中でもいちばん情けない種類だと思ってたのに、そのときは本当に胃が縮んだ。彼女が笑ってる、という事実が刺さる。自分がその笑顔を引き出してない、ということが刺さる。刺さるって言うとドラマになるけど、実際はただ、画面の前で固まるだけだった。固まる。凍る。雷を待つ。付和雷同。

Ellegardenのライブ。二人で行った。二人で行ったのに、二人でいた感じが薄いのが嫌だ。音が大きくて、体が揺れて、汗で、Tシャツが張りついて、声が枯れて、そこだけ切り取ると「青春」って呼ばれる箱に入ってしまう。箱に入れたくない。箱に入れた途端に、彼女が自分の所有物みたいになるから。所有したくない、って言うと綺麗だけど、本当は所有したかったんだろう。所有っていう言葉が汚いだけで、やりたかったのは、ただ、確かめること。確かめる、っていうのもまた逃げだ。好きだって言うより安全。安全にしたい。安全にして、その安全が壊れるのが怖い。怖いから、aikoに似てる、で終わらせる。教師が共感してくれると、余計に終わらせやすい。共感されると、自分の感情が「正しい」みたいになる。正しい、って誰にとって。猪俣にとって。猪俣の正しさに寄りかかってる時点で、付和雷同。

彼女はパターンナーになった。パターンナー。型紙。型。形。形にする人。高校では形になってなかったのに、大学に入ったら人が変わったように実行委員会。ファッションショーの実行委員会って、言葉だけで忙しそうだ。忙しい、っていうのもまた形だ。忙しい人は偉い、みたいな。忙しさの権威。彼女は権威なんかどうでもいい顔で、でも手は動いて、動いたものが服になる。服って、誰かの皮膚の上に乗る。皮膚。身体。彼女は身体の輪郭を測る。測って、線にして、紙にして、布にして、縫う。線が身体に戻る。戻るって、なんか宗教っぽい。自分は戻らない。自分の言葉は身体に戻らない。ここで書いてるのも、戻らない。

2026年1月。電話を鳴らす。折り返しがない。音沙汰がない。音沙汰って、音があるかないかを沙汰するって、また変な言葉だ。音。音なら、ライブの音はあったのに。電話の音は、こちらで止まる。着信音だけが鳴って、止まる。止まったあとに残るのが、静かじゃなくて、雑音。自分の呼吸。部屋のエアコンの低い唸り。スマホの画面の明るさ。明るさだけが現実で、彼女の不在が現実になる。現実って、不在のことだったっけ。ここで「不思議なものである」と書いてしまう癖。ラベルを貼る。貼ると終わる。終わらせたくない。終わらせないために、不思議である、って言う。付和雷同、って言う。行雲流水、って言う。幸運流水、って言う。どれも、言った瞬間に少し遠のく。

彼女は職人だった。ただ職人だった。って言い切ると、安心する。彼女を「説明」できた気になる。説明したくないって言いながら、説明したがってる。職人、って言うと、信念がある、っていう印象に寄せられる。寄せる。寄せるのは、付和雷同の動きだ。誰かが言ってた職人像に寄せてる。彼女本人に触れてないのに。触れてないのに、触れたふりをする文章が増えていく。増えるほど、彼女は遠くなる。遠くなるほど、電話を鳴らしたくなる。鳴らすほど、折り返しがなくて、また遠くなる。円みたいだ。循環。循環は美しいって誰が決めた。循環って、出口がないだけだ。出口がないのに、これでいい、これでよかったんだ、って言いそうになる。言いそうになる、って今すでに言ってる。これでいい、って言うと、その瞬間に、何かが終わる。終わるのが怖いから、終わらない形で「これでいい」を言いたい。矛盾。矛盾があるとき、人は笑うのか、黙るのか。自分は書く。書いて、矛盾を撫でる。撫でても解けない。解かない。
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黒猫/琥珀𓃠☪︎

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※代理投稿です
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