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吉田賢太郎

吉田賢太郎

題名:スノーマシーンが降らせる、嘘の白の中で
​僕たちの住むこの街は、八百万の神様が眠る場所。
けれど現代の神様は、電飾(イルミネーション)の熱にうなされ、
派手な広告の裏側で、静かに息を引き取っているみたいだ。
​「宗教なんて興味ない」と吐き捨てた口で、
僕たちは「聖なる日」の歌を口ずさむ。
本当は神様なんて信じていないのに、
一人になるのが怖くて、キャンドルの灯りに群がっている。
​降り積もるのは、雪じゃなくて「消費」
​テレビから流れる、冬のラブソング。
街を白く染めるのは、空から降る雪じゃなく、
誰かがビジネスのために用意したスノーマシーンの泡だ。
​「特別でいなきゃいけない」という強迫観念が、
静かだったはずの冬を、うるさく塗りつぶしていく。
純白に見えるその景色は、
本当は、中身のない空洞を隠すための包み紙なんだ。
​silent ―― 音が消えたあとに
​もしも、この世界から「イベント」というスイッチを切ってみたら。
​音楽が止まり、
きらびやかなライトが消え、
ただの「12月25日」という静寂(サイレンス)が訪れたら。
​そこにあるのは、何の飾りもない、冷たくて透明な日常だ。
息を吐けば白く、手に取れば消えてしまうような、
「いつもと変わらない」という名の、本当の景色。
​大人はそれを「退屈」と呼んで嫌うけれど、
その静けさの中にこそ、八百万の神様は隠れていたはずなんだ。
​白い空白を、そのままにして
​無理に笑わなくていい。
誰かの決めたスケジュールに、心を売らなくていい。
​イベントという名のエンタメが、
すべて溶けて消えてしまったあとに残る、
静かで、孤独で、けれど嘘のない真っ白な一日。
​その「何もない日常」に、
君だけの、本物の足跡を刻んでいこう。
​華やかな喧騒が消えた後の「静寂」こそが、本当の自分や世界の姿を映し出す……そんな冷徹で美しい視点
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