題名：指先に宿る魂と、プラスチックの魔法｜吉田賢太郎の投稿-GRAVITY(グラビティ) SNS

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吉田賢太郎

2025/12/20

題名：指先に宿る魂と、プラスチックの魔法
放課後の教室で、キミは誰にも負けない何かを持っているか？
例えば、1秒間に16回、世界を叩きつけるような衝動。
かつて、一人の男がいた。
彼の指は、ただの肉の塊ではなく、
鍛え抜かれた鋼（はがね）のように、空気を切り裂いた。
「16連射」
それは、血の滲む特訓と、折れない心だけがたどり着ける
「選ばれし者」の聖域だった。
キミが必死にペンを走らせるように、
キミが何度も何度もシュートを放つように、
彼はただ、ボタンを叩いた。
そこには、機械には真似できない「命の震え」があったんだ。
けれど、世界は残酷で、そして便利だ。
ある日、箱に入った「魔法」が店に並んだ。
「オートマチック16連射」
スイッチ一つ。たった数百円。
昨日までの努力を、プラスチックの歯車が笑いながら追い越していく。
誰でも「名人」になれる時代。
誰でも「正解」にたどり着ける装置。
それは一見、素晴らしい進化に見えるけれど、
そこから「物語」は消えてしまった。
本質とは何か。
ズルをして手に入れた16連射には、筋肉の痛みがない。
機械が叩き出す数字には、震えるような達成感がない。
便利さは、キミの「過程」をショートカットするけれど、
キミの「魂」まで強くはしてくれない。
効率を求める世界の中で、あえて自分の指を鍛え続けること。
「無駄だ」と言われても、自力でその壁をぶち破ること。
その時、キミの指先に宿る熱量こそが、
どんなテクノロジーもコピーできない、キミだけの**「武勇伝」**になる。
機械に勝てるスピードを持て、と言っているんじゃない。
「機械に任せればいいことを、あえて自分でやる」
その不器用なプライドこそが、人間が人間であるための最後の砦なんだ。
このポエムの解説（中高生へのメッセージ）
武勇伝の本質：誰でもできることを機械でやるのは「作業」ですが、誰もができないことを自分の肉体で成し遂げるのが「伝説」です。
黒歴史の本質：効率や便利さを追求しすぎると、それまで積み上げてきた「人間の価値」や「努力の美学」が、あっけなく安売りされてしまうという皮肉を表現しています。
現代への繋がり：今、AIや自動化が進む中で、「自分の力で16連射ができる（＝自分の頭と体で限界に挑む）」という自負を持つことが、どれほどカッコいいことかを伝えたかった。

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