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しっば

しっば

今って受験の時期ですよね!
昨年自分もそれでした!
その時の思い出?と振り返りみたいなものを小説風に書いたので!
お時間ある方ぜひっ…!


あれは、僕がまだ受験生だった頃の話だ。
試験開始の合図と同時にペンを握り深く息を吸った、その直後。
腹の奥が裏切るみたいに強く痛み出した。

世界史の問題用紙は目の前にあるのに、文字が遠い。
考えようとするほど、痛みだけがはっきりしていった。
知識が足りなかったわけじゃない。
ただ、考える余裕そのものを体調に奪われていただけだった。
僕はほとんど勘に近い感覚で必死に答案を埋めていった。

途中退室を許されトイレへ行っても、状況は変わらなかった。
試験が終わるとそのまま保健室へ案内された。

保健室の人は、淡々としていながらも確かに優しかった。
その声に触れて、張りつめていた心が少しずつほどけていくのがわかった。

僕は、ただそれが嬉しかった。
助けられたと感じて素直に感謝の気持ちを伝えた。
それ以上でも、それ以下でもなかった。

でも返ってきたのは、軽い冗談めいた言葉だった。
「私にごまをすっても意味ないからね?」

その場では笑ってやり過ごした。
冗談だとわかっていたつもりだった。
それでも心のどこかで感謝が疑われたような気がして、小さな棘みたいなものが残った。

あの頃の僕は、
「ありがとう」がそのまま届かないことに戸惑っていたんだと思う。
感謝は評価でも取引でもないのに、
大人の世界ではときどき別の意味をまとってしまう。

今になって思う。
あの人がくれた優しさは確かに本物だった。
そして、あのときの僕の感謝も間違いなく本物だった。

受け取られ方がどうであれ、
あの瞬間、僕の中にあった気持ちはちゃんとそこにあった。
それだけは誰にも否定できない。

だから今の僕は、
あの出来事を「悲しい思い出」だけにはしない。
人に感謝できた自分を、少しだけ誇りに思っている。

僕は少しずつ、大人になった。
それでも、
誰かに優しくされたら、今でも僕は、迷わず「ありがとう」と言う。



(大人になったといっても昨年の話ですけどね!w)
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